ブログトップ | ログイン

心の時空

yansue.exblog.jp

a day in my life

サイト・シアーズ 殺人者のための英国観光ガイド  シネマの世界<第644話>

シリアルキラー(連続殺人犯)をアンチ・ヒ-ローとして描いた象徴的映画と云えば、アメリカン・ニューシネマの先駆的作品である1967年の秀作映画「俺たちに明日はない ボニー&クライド」でしょう。
a0212807_0531126.jpg
今夜から連続で、シリアルキラーを主人公(アンチ・ヒ-ロー)として描きながら痛烈に現代社会を嘲笑(わら)い飛ばした痛快なブラック・コメディ映画の佳作 3作をシリーズで紹介します。
a0212807_0535482.jpgまず今夜は、イギリスの異才監督ベン・ウィートリー(1972~ 2011年「キル・リスト」 監督・脚本・編集、2016年「ハイ・ライズ」 監督・編集)が、2012年に撮った映画「サイト・シアーズ 殺人者のための英国観光ガイド」(Sightseers 観光客)を紹介します。
この映画、88分と短か目ながら、テンポよくストーリー(連続殺人事件)を構成していますので、妙に惹きこまれ見入ってしまう不思
a0212807_0593524.jpg議なブラック・コメディーのロードムービーです。
ダサい中年カップルが、観光旅行の途中、行く先々で少しムカついただけで人を殺していくサイコパスな笑えない連続殺人事件が、笑えます。
主演のサイコパス中年カップルを演じるのが、ティナ役のアリス・ロウ(1977~ スティーブ・オーラムと共同脚本)とクリス役のスティーブ・オーラム(1973~ アリス・ロウと共同脚本)でa0212807_1115023.jpg、この二人のジコチューぶりとキレっぷりは、バカな両親から躾(しつけ)されない子供が、そのまま大人になったようで不愉快極まりなく身近にいそうなその存在感(いるいる感)は、秀逸です。
ティナの老いた母親(アイリーン・デイビス 1948~)は、中年の娘に依存した生活でディナを束縛することなど平気、娘にやっと年相応の恋人のクリスが、でき有頂天の娘ティナを尻目に、娘から放っておかれると不満たらたらのa0212807_1143066.jpg母親は、猛反対しますが、ティナとクリスの中年カップルは、キャンピングカーでイギリス国内の観光スポットを巡りに出発しました。
クリスは、一応小説家を志望していますが、才能なく努力もしないダメ男ながらプライドは、高く、最初訪ねた路面電車博物館で他の観光客の男にバカにされた腹いせに車で轢き殺しました。
a0212807_1203014.jpg社会的な協調性の欠如するティナも次第に暴走「環境破壊する人間は、減らすべき、人殺しってエコなのよ」と最初、クリスの殺人に大騒ぎしていた彼女もすぐに慣れ少しムカつくとあっけらかんと人を殺すようになりました。
鬱屈し壊れた精神をもつ中年サイコパス・カップルが、オフビートなノリ(軽さ)で、だんだんシリアルキラー(連続殺人犯)になっていく様子は、ブラックa0212807_1211070.jpgな笑いの連続ですが、この「サイト・シアーズ 殺人者のための英国観光ガイド」は、簡単にブラック・コメディ映画としてひと括りにできない‘毒のあるスリラー映画’でもあります。
映画のラスト、シリアルキラーとして警察に追われたティナとクリスは、命運尽きて観念し最後の観光地リブルヘッド陸橋に行き、橋の上から手をつないで一緒に飛び降り自殺することにしましたが‥、ウィートリー監督の毒は、最後まで効いていました。 (「ゴッド・ブレス・アメリカ」に続く)
by blues_rock | 2016-11-01 00:01 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)