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心の時空

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黄 昏  シネマの世界<第641話>

この名作映画「黄昏」は、なんと云っても今は亡き名優ヘンリー・フォンダ(1905~1982、1957年秀作映画「十二人の怒れる男」主演、「黄昏」は遺作)と希代の名女優キャサリン・ヘプバーン(1907~2003、アカデミー賞主演女優賞4度受a0212807_5125570.jpg賞)の名演技と併せ、二人のウィットにとんだ会話を堪能する心温まる映画です。
今から35年前1981年の作品ながら映画に旧さは、まったくなく、むしろ ‘高齢者の増えた今’ こそ、老夫婦の、そして親子のあり方について、私たちに「あなたは、どう?」と問いかけるヒューマンドラマです。
監督のマーク・ライデル(1934~)の作品で「黄昏」以外に印象に残るものは、ありませんが、この映画では、キャスト(出演者 ヘンリー・フォンダ、キャサリン・ヘプバーン、ジェーン・フォンダ)・スクリプト(脚本・原作 アーネスト・トンプソン)・プロダクション・デザイン(湖畔の風景)が、すべてと云って良いでしょう。
ジェーン・フォンダ(1937~)は、長年不仲であった父ヘンリー・フォンダのために戯曲(on golden pond)の映画化a0212807_5213394.jpg権を取得、老夫婦の夫ノーマンを演じるヘンリー・フォンダに娘として何としてもアカデミー賞主演男優賞を取らせたい一心でした。
頑固で毒舌家のノーマンに長年連れ添った妻エセル役にキャサリン・ヘプバーンを希望したのは、ジェーン・フォンダで、当初エセル役を辞退していたキャサリン・ヘプバーンでしたが、二人の娘チェルシーを演じるジェーン・フォンダの熱意に主演
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を受諾しました。
ジェーン・フォンダは、プライベートでも子供のころ父ヘンリー・フォンダと離婚した母親が、精神を病み自殺したa0212807_5232826.jpgこともあり弟のピーター・フォンダ(1940~、1969年アメリカン・ニューシネマの代表作「イージー・ライダー」に主演)ともども父親への反発とわだかまりは、相当なものでした。
ジェーン・フォンダが、若いころ過激な社会運動家、政治活動家としてFBIとCIAから監視されていたのは、そんなことも原因の一つだったかもしれません。
a0212807_524555.jpg「黄昏」は、1981年のアカデミー賞で主演男優賞・主演女優賞の両賞と脚色(脚本)賞を受賞、ヘンリー・フォンダは、主演男優賞受賞者として最高齢の76歳での受賞となりました。
キャサリン・ヘプバーンもまた4度目の主演女優賞となり、この二つの記録は、今もなお破られておりません。
a0212807_5254223.jpgこの映画のもう一つの魅力は、ゴールデン・ポンドと呼ばれる湖畔の美しい風景映像で、撮影監督ビリー・ウィリアムズ(1929~、1975年映画「風とライオン」、1982年映画「ガンジー」など秀作の撮影監督)のカメラワークも秀逸です。
a0212807_527105.jpg映画のストーリーは、ゴールデン・ポンド湖畔の別荘を舞台に、人生の黄昏(終焉期)を迎えたノーマンとエセルの老夫婦、長年父ノーマンと仲違いしギクシャクした関係にある娘チェルシー、彼女のフィアンセとその子供である13歳の少年が、お互い関わりながら心を通わせていく1か月間を描いています。
a0212807_5282135.jpg地味な映画ながら戯曲をもとにした脚本と云うこともあって‘セリフ’(ノーマンとエセル老夫婦の会話、エセルとチェルシー母娘の会話、ノーマンと少年の会話)が、すばらしく何度も見たくなる名作映画です。
by blues_rock | 2016-10-20 00:02 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)