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心の時空

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オーバー・フェンス  シネマの世界<第637話>

山下敦弘監督(1976~ 「リンダ リンダ リンダ」)の最新作「オーバー・フェンス」をKBCシネマで見ました。
若くして自死した作家佐藤泰志(1949~1990没、享年40歳)の短編小説「オーバー・フェンス」をもとに
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山下敦弘監督は、2010年 熊切和嘉監督(1974~ 「私の男」監督)作品「海炭市叙景」、2014年 呉 美保監督(1977~)作品「そこのみにて光輝く」に続く ‘函館3部作’ の最終章として主人公白石(オダギリジョー 1976~)
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の鬱屈した暗い人生に射し込む一筋の光(オーバー・フェンス=未来)を描きました。
撮影は、‘函館3部作’の3作とも撮影監督近藤龍人(1976~)が、担っています。
a0212807_6514435.jpg「オーバー・フェンス」で山下監督は、盟友である近藤撮影監督の撮るダーク・トーンの色調を生かし、灰色の空を舞う海鳥(かもめ)の寂寥感と主人公白石の鬱屈した人生を重ね合わせ彼の孤独を秀逸に描いています。
‘函館3部作’の監督と撮影監督の4人ともに1970年代生まれで、全員が、大阪芸術大学 芸術学部 映像学科で‘映画作り’を学a0212807_6542948.jpgび、切磋琢磨しながら沈滞している日本映画を牽引していることも見逃せません。
映画は、原作者の佐藤泰志も実際に通った函館の職業訓練校を舞台に、大工見習いをしながら離婚し失業保険で独り暮らしをする主人公の中年男白石をオダギリジョー(1976~)が、好演しています。
ある日、白石は、職業訓練校仲間の若い代島(松田翔太 1985~)から無理やり誘われたキャバクラで「ワタシ頭が悪いから」と白鳥の求愛行為を真似る風変りなa0212807_72156.jpg22歳のホステス聡(さとし、蒼井優 1985~、2008年「人のセックスを笑うな」で演じたとぼけた少女えんちゃん役は秀逸でした)に出遭いました。
他にも、挫折した人生から抜け出そうと職業訓練校で学ぶ白石の仲間たちを個性的な若手俳優たち、とくに満島真之介(1989~)が、演じた大工見習い森の屈折した挫折感は、秀逸でした。
a0212807_72293.jpg映画の最後、人生を諦めていた白石(オダギリジョー)が、聡(さとし、蒼井優)に、携帯電話で初めて本心を洩らし、「狂ったオレとオマエと一緒に生きてみないか‥」と目の前の閉塞的な現実(幻のフェンス)を越えたいと願うシーンは、心に沁みます。
いま、‘過去にワケあり’ の四十男を演じさせたら浅野忠信(1973~)とオダギリジョー(1976~)の二人が、両雄でしょう。
a0212807_73291.jpg22歳のホステス聡(さとし)を二階堂ふみ(1994~)ならどう演じただろうなと「私の男」で演じた花と重ね合わせて想像しました。
by blues_rock | 2016-10-02 06:46 | 映画(シネマの世界) | Comments(1)
Commented by blues_rock at 2016-10-02 07:34
映画好きのあかねさんへ(メッセージ)
「存在の耐えられない軽さ」や「みつばちのささやき」が、お好きとのこと、これには、驚きました。
いろいろ人生の他愛ないことを思いながら、映画を見るのは、楽しいもの、これからも自分好みの映画を見つけてください。