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心の時空

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a day in my life

カットバンク  シネマの世界<第629話>

私は、この2014年アメリカ映画「カットバンク」(劇場未公開)を 名優ジョン・マルコヴィッチ久々の新作映画出演であること、ブルース・ダーン、オリバー・プラット、マイケル・スタールバーグ、ビリー・ボブ・ソーントンという個性
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的な俳優ぞろいのキャストに惹かれて見ました。
アメリカ国内で一番寒くアメリカ北西部モンタナ州の最北端に位置しカナダ国境近くの田舎町‘カットバンク’を舞
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台にした2014年製作のサスペンス・スリラー映画です。
カットバンクのまわりは、ネイティブ・アメリカン ブラックフットの居留地とグレイシャー国立公園で自然環境豊か
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な地域ですが、住民は、何年も何十年も何の変化もない暮らしを続け年老いていく人生でした。
カットバンクの若者は、自分の人生に刺激を求めて都会へ出て行くことを夢見ていました。
a0212807_2221396.jpg主人公の自動車修理工の青年ドウェイン(オーストラリアの若手俳優クリス・ヘムズワース 1990~)と恋人カサンドラ(オーストラリアの若手女優テリーサ・パーマー 1986~)の二人も例外ではありませんでした。
ドウェインは、恋人カサンドラのミス・カットバンク・コンテスト審査用プロモーション・ビデオを菜の花畑で撮影している時、いきなり数発の銃声を聞き、偶然、その殺人現a0212807_2243859.jpg場の映像をビデオ・カメラが、捉えていました。
映画は、冒頭、この殺人事件の被害者になる郵便配達の老人ジョージ(ブルース・ダーン1936~)が、郵便物の集配を始めるところから始まり ‘絵柄の入った青いバックの小包’ を郵便物と一緒に集配ワゴンに積みこみ、各家庭へ配達する途中に襲撃されたのでした。
a0212807_2284310.jpgしかし、郵便配達ワゴンともに射殺死体が、消え、殺人事件の報告を受けた保安官(ジョン・マルコヴィッチ 1953~)は、ドウェインが、偶然撮影したビデオ映像を殺人の証拠としました。
それもそのはず、この郵便配達ワゴン襲撃事件は、重病の父を施設に預ける資金の必要なドウェインと、楽に暮らせる金が欲しい郵便配達人ジョージによる偽装殺人だったのです。
a0212807_2293211.jpg二人の計画は、ドウェインの撮ったビデオ映像を殺人の証拠品として郵便監査官(オリバー・プラット 1960~)に情報提供し、その報奨金10万㌦を受け取るはずでした。
ところが、二人の予想しなかった世捨て人で変人のダービー(マイケル・スタールバーグ 1968~ 分厚いド近眼眼鏡をかけたマイケル・スタールバーグのサイコパスぶりが最高、すばらしい)は、届くはずa0212807_2210176.jpgの ‘絵柄の入った青いバックの小包’ に異常に執着、捜す邪魔する者たちを相手かまわず殺戮していきました。
私は、この映画「カットバンク」の監督マット・シャックマン(1975~)を知りませんでしたが、それもそのはずアメリカでは、テレビ放送用の映画監督だったたようで「カットバンク」が、長編映画監督デビューの作品でした。
a0212807_22155999.jpgシャックマン監督の演出は、コーエン兄弟監督を想わせる語り口ながら地味で淡々としており、盛り上がりに欠けるという批評もありますが、なかなかどうして良く練られた脚本(ロベルト・パティーノ プロファイル不詳)を前半は、サスペンスタッチで見る物を映画に引き込み、後半をサイコスリa0212807_22194157.jpgラー気味に変調しますが、ホラーっぽさは、少し抑え気味に描いているところが、コーエン兄弟監督と少し違うところかもしれません。
撮影監督ベン・リチャードソン、美術ローラ・フォックスその他製作スタッフ陣も有能な人たちが、揃っていると感じました。
a0212807_22305366.jpgラストのシークエンスで、保安官のジョン・マルコヴィッチが、サイコパスのマイケル・スタールバーグにハンマーで殴り殺されたブルース・ダーンの死体をサイレンサー拳銃で2発撃ちクリス・ヘムズワース演じるドウェインの殺人偽装計画に加担する演出だけは、もしかしたらコーエン兄弟監督の影響かなと思いました。
カサンドラの父親でドウェインの雇用主、かつ保安官の旧友役のビリー・ボブ・ソーントン(1955~)のわき役もa0212807_22331766.jpg印象に残りました。
「カットバンク」は、日本の映画配給会社が、扱わない劇場未公開映画ながら、なかなかの佳作です。
わが国の映画配給会社のセンスとレベルは、相変わらずイマイチながら、このところ地味な長編ドキュメンタリー映画や作家性の強い映画を自主公開する独立系の映画館(福岡ではKBCシネマ)が、増えてきたのは、うれしいことです。
by blues_rock | 2016-09-05 00:05 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)