ブログトップ | ログイン

心の時空

yansue.exblog.jp

a day in my life

名女優 京マチ子の懐かしい三作品(後編)  シネマの世界<第623話>

a0212807_22362962.jpg昨夜(前編)に続き名女優 京マチ子が、主演した市川崑監督の1959年作品「鍵」を紹介します。
「鍵」は、同じ市川監督の作品「穴」で ‘コメディエンヌ’ として洒脱な演技を見せた京マチ子が、一転して真逆ともいえるエロティックなサスペンス&スリラー映画に挑戦し、見事な演技を披露した秀作映画(カンヌ国際映画祭グランプリ受賞、ゴールデングローブ外国語映画賞受賞)です。
谷崎潤一郎原作の「鍵」を和田夏十と長谷部慶治の名脚本家コンビが、エロティックでかつ一級のサスペンス&スリラーに仕上げました。
京マチ子のフェロモンたっぷりの妖艶な演技と劇中で性行為を連想させるシーンが、当時の映倫審査に引っ掛かり、何と京マチ子主演の映画で‘成人映画(R18)’指定という珍事になりました。
a0212807_22384348.jpg名カメラマンの宮川一夫撮影監督が、撮ったアップ、カットバック、フルショットは、出演者たちの迫真の演技と相俟って抜群の映像リズムを生み、映画に緊張感をもたらしています。
宮川撮影監督の撮った古都京都の瓦屋根や竹林の風情、部屋に置かれた骨董類、障子から射す薄明かりの陰影も必見です。
作曲家芥川也寸志(1925~1989)の音楽もサスペンス&スリラーの雰囲気を盛りあげています。
中村鴈治郎演じる老骨董鑑定士剣持は、京マチ子演じる若い妻郁子への性的欲望が、鎮まらず、老いによるa0212807_22425528.jpg体力の衰えを補うべく密かに医者に精力剤の注射をしてもらっていました。
妻郁子は、そんな夫を嫌いながら自由で贅沢三昧の生活を捨てる気など毛頭ありませんでした。
剱持には、叶順子(1936~)演じる前妻との間に生まれた一人娘の敏子が、いるものの年の近い継母郁子との仲は、良くありませんでした。
a0212807_22442918.jpg剱持は、敏子を仲代達矢(1932~)演じるインターン医の木村と結婚させようと画策しますが、木村は、女盛りで妖艶な剱持の妻郁子に惹かれていました。
郁子もまた木村に義理の娘敏子との結婚を薦めますが、郁子は、若い木村の誘惑に抗うことができませんでした。
剱持は、郁子と木村との関係に気づいていましたが、自分の嫉妬心を若い妻郁子へ向ける性的欲望の精神的a0212807_22453655.jpgなエネルギーにしていました。
ある夜、郁子を抱いていた剱持は、高血圧症の発作を起こし郁子のうえに崩れ落ちました。
郁子は、冷静に対処しながら木村に連絡、剱持は,脳溢血の後遺症が残ったものの一命は、とり止めました。
郁子は、木村に裏口の鍵を渡し彼を家に誘い入れ空き部屋で密会するようになりました。
a0212807_22472687.jpg不可解な家族の妖しく奇怪な人間関係を素知らぬ顔でじっと見ていたのが、北林谷榮演じる婆やのハナでした。
このハナの登場でサスペンス&スリラーが、全開になります。
ラストのオチ(エンディング)まで良く練りあげられた脚本と監督の演出、そして名女優・名優による一級のサスペンス&スリラーなのでこの続きは、ぜひ映画をご覧ください。
by blues_rock | 2016-08-23 00:03 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)