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心の時空

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a day in my life

ジャケット  シネマの世界<第459話>

2006年の初夏、東京で公開時見た時は、すんなり頭に入りませんでした。
この映画「ジャケット」の脚本を書いたのは、イラン出身の女性脚本家マッシー・タジェディン(1978~ 現在映画
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監督、脚本を書いた当時27歳、ハーバード大学出身の才媛脚本家)で、この映画「ジャケット」のプロットも1992年の過去と2007年の未来、主人公いる現在が、過去なのか未来のどちらなのか‥主人公は、今(1992年またa0212807_6295615.jpgは2007年)生きているのか、死んでいるのか、死んでいるのならいつ死んだのか‥などなど映像が、次々に過去と未来をフラッシュバック、この時空を交錯させながら展開していきますので映画のディテール(道具立ての細部)を良く見ていないと‘ん!?‥なに?’と頭がこんがらがってしまいます。
監督は、クセの強いイギリスのジョン・メイバリー監督((958~)です。
a0212807_63187.jpg製作の名匠スティーブン・ソダーバーグ監督(1963~)と名優ジョージ・クルーニー(1961~)は、「ジャケット」の脚本が、気に入り映画化を企画したものの二人は、この映画にメイバリー監督のアクの強いクセ(作風)が、必要と考え監督をオッファしたのだろうと推察します。
a0212807_6321376.jpg映画のタイトル「ジャケット」は、精神病院で凶暴な異常者に装着する「拘束衣(=ジャケット)」のことです。
ストーリーを簡単に説明すると1992年湾岸戦争で頭に重傷を負った主人公の元軍人ジャック(エイドリアン・ブロディ 1973~)は、後遺症で記憶障害を抱えていました。
旅をしていた彼は、車の故障で困っている母親と娘(少女の名はジャッキー)に出遭い、泥酔している母親に代わりに車を修理してあげました。
a0212807_6344123.jpgその時ジャックは、少女ジャッキーに彼の‘軍の認識票’をプレゼントしました。
二人と別れたジャックは、途中若い男の車を拾いますが、パトロール中の警官に車を止められ、発砲事件に巻き込まれ拳銃で撃たれ気を失いました。
救急病院で目を覚したジャックは、パトロール警官殺しの罪で逮捕され精神病院へ送られました。
そして、ジャックは、精神矯正のための特殊治療を受けることになり拘束衣(=ジャケット)を着せられ死体保管a0212807_64016.jpg用ロッカーに閉じ込められました。
拘束された真っ暗闇の狭い空間の中でジャックは、意識を失いました。
意識を取り戻したジャックは、15年後の2007年にタイムスリップしていました。
a0212807_6465135.jpg彼は、ふと立ち寄った道沿いのレストランで若く美しいウェイトレス(キーラ・ナイトレイ 1985~ この時20歳、演技力がすごい)に出遭いました。
彼女は、母親を亡くし孤独の中で荒んだ暮らしをしていました。
彼女の名前は、ジャッキーと云いジャックの‘認識票’を大事に持っていましたが、‘認識票’を自分にくれたこの人は、すでに死んでいると彼に伝
a0212807_64910100.jpgえました。
ジャックは、1992年の精神病院にいる自分と2007年にいてジャッキー(かっての少女ジャッキー)のために彼女の不幸の原因となる過去の‘誤り’を修正すべく自分の過去と未来を行き来するようになりました。
ジャックは、自分の過去に何度も戻り人生もやり直そうとしますが、どこかチグハグで望みどおりになりませんでした。
次第に明らかになる恐るべき記憶、そのたびに何度もやり直そうとしますが、上手く行きません。
a0212807_6521414.jpgどこが、‘不幸’の分岐点だったのか、ジクゾーパズルのように精緻に組み立てられた脚本は、ミステリー、サスペンス、ロマンス‥もながら、何より知的にしてエキサイティングなスリラーと云って良いでしょう。
精神病院の医師トーマス(クリス・クリストファーソン 1936~)、女医ベス(ジェニファー・ジェイソン・リー 1962~「ヘイトフル・エイト」の怪演は記憶に新しい)、看守ルディ(ダニエル・クレイグ 1968~ この後ブレイク)など共演している俳優(女優)たちが、脇で好いa0212807_6561626.jpg味を出しています。
これから映画を見る人のためにこれ以上の顛末は、書きませんが、頭を混乱させないようにするため、見るポイントのヒントを書いておきます。
1.ジャックが、湾岸戦争でイラクの少年に頭を撃たれる冒頭のシーン
2.少女ジャッキー親子と警官殺しの犯人にされる田舎町ヴァーモンドのシークエンス
a0212807_659152.jpg3.拘束衣(=ジャケット)を着せられ矯正治療を受ける精神病院のシークエンス
4.運命の女性ジャッキーに出遭う未来、とこの4つの時間軸(時空)を注意しながら見ると良いと思います。
2005年映画「ジャケット」と同じように過去にタイムスリップし未来の自分を見て過去を修正するというプロットは、前年の2004年作品「バタフライ・エフェクト」(蝶のはばたきが、地球の裏側では、竜巻を引き起こすというカオス理論の象徴)にもありますのでこの映画もまた改めて紹介したいと思います。
by blues_rock | 2015-03-06 00:06 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)