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心の時空

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めまい  シネマの世界<第608話>

a0212807_23541046.jpgイギリス映画協会(BFI)発行の映画雑誌「Sight & Sound」が、10年に一度発表する「映画批評家が選ぶベスト映画」で発表以来50年間、第1位のオーソン・ウェルズ監督作品「市民ケーン」に代わり2012年に晴れて第1位になったのは、名匠アルフレッド・ヒッチコック監督(1899~1980)の1958年サスペンス・ミステリー映画「めまい」です。
映画は、高所恐怖症の探偵で元刑事のスコティ(ジェームズ・ステュアート 1908~1997)が、学生時代の友人で実業家のエルスターから何かに憑かれたような不可解な行動する妻マデリン(キム・ノヴァク 1933~)を密かに調べて欲しいと依頼されます。
スコティが、マデリンを尾行していると突然海に飛び込み自殺を図りました。
a0212807_23572070.jpgマデリンの命を救い、自宅のアパートで介抱するうち二人は、恋に落ちてしまいました。
マデリンは、彼女の祖先にいた美しいカルロッタという女性そっくりでカルロッタの自殺した村にある教会の夢を見たので行きたいとスコティに告げました。
スコティが、マデリンを村の教会に連れて行くと彼女は、いきなり教会の高い鐘楼の階段を駆け上がりました。
a0212807_23575785.jpgマデリンの後を追ったスコティですが、高所恐怖症のため動けず彼の目の前で彼女は、飛び降り自殺しました。
スコティは、自責の念から神経衰弱となりますが、マデリン自殺の理由を知りたくて街を彷徨っている時、偶然マデリンに瓜二つの女性を見ました。
a0212807_23591472.jpg彼女の後を追うとカルロッタが、暮らしていた旧居のアパートに住むジュディ(キム・ノヴァクの二役)という女性でした。
愛するマデリンを助けられなかったトラウマからスコティは、ジュディに洋服・ヘアスタイル‥なにもかもをマデリンとそっくりになって欲しいと云う狂気じみた要望をしました。
a0212807_015190.jpgここからクライマックスへのストーリーは、ネタバレになりますのでカットいたしますが、高所恐怖症を主人公に仕込んだサスペンスとミステリーたっぷりの練られた脚本や当時としては、最新のテクニカラービスタビジョンも斬新だったことでしょう。
a0212807_044265.jpgこの映画は、撮影監督ロバート・バークス(1909~1968、ヒッチコック監督12作品の撮影監督)のカメラワークも斬新で、いまでは当たり前になっている‘ドリーズーム’(専門的に説明すれば、台車=ドリーに乗せたカメラを移動させながら被写体をズーム・イン、ズーム・アウトする撮影法)を多用、床が落ちるような感覚は、「めまいショット」とa0212807_052959.jpgして有名になり、登場人物の焦燥感や不安、疑念、混乱、不気味さなど感情の動きを表現する斬新な撮影技術が、誕生しました。
カメラが、被写体を回り撮影する‘スピンアラウンド’など「めまい」は、カメラワークの評価が、すこぶる高く、ヒッチコック作品の中でもトップクラスの傑作と評価されるもヒッチコック監督自身は、「めまいは失敗a0212807_011576.jpg作」と語っていたそうです。
しかし、その作品が、10年に一度「映画批評家が選ぶベスト映画」の第1位(「東京物語」第3位、「映画監督が選ぶベスト映画」では第1位)に選ばれるのですからヒッチコック監督は、相当ヘソ曲がりの監督だったことでしょうね。
アメリカ映画界七不思議の一つは、ハリウッド映画の黄金時代に活躍した巨匠アルフレッド・ヒッチコック監督a0212807_0141958.jpgが、一度もアカデミー賞監督賞(ノミネート5回)を受賞していないことです。
ヒッチコック監督は、ユーモアのセンスがあり、自分の作品にカメオ出演することでも有名な監督で「めまい」では、造船所の前を歩く通行人で出演していました。
by blues_rock | 2016-07-11 00:01 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)