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心の時空

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a day in my life

伊藤若冲

a0212807_13305555.jpg今年2016年は、江戸中期に京都で活躍した稀代の天才絵師 伊藤若冲(1716~1800没、享年84歳)の生誕300年を記念して特別展が、東京と京都で開催されています。
こんなとき東京で暮らしていたころの利便性を懐い出し普段感じない東京暮らしをうらやましく思うこともあります。
さりとて会場(美術館)に入るには、5~6時間の行列待ちとか‥東京に住んでいるとしてもいくらなんでも行く気になれません。
そこで大判の伊藤若冲画集(A3版 カタログ・レゾネ 紫紅社)を眺めて自己満足しています。
伊藤若冲の絵は、俵屋宗達・尾形光琳・鈴木其一の琳派や狩野派、葛飾北斎・喜多川歌麿・安藤広重など浮世絵師の肉筆画とも異なる独自の感性で‘写実と想像(イマジネイション)’を融合させて表現した絵画です。
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若冲を奇想の絵師と称する美術評論家方もいますが、私は、敢えて言うなら‘幻想(イメージ)の絵師’のほうが、似合うのではないかと思います。
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若冲は、京都錦小路の青物問屋の長男(跡取り)として生まれるも絵を描くこと以外に関心がなく、商売気もなく遊興・娯楽などの享楽にも興味なし、妻帯もしないという徹底ぶりでした。
a0212807_13334163.jpg40歳で家督を弟に譲り晴れて念願の絵師になりました。
42歳の時から10年かけて描いたのが、色鮮やかな濃彩の花鳥画(とくに鶏)全30幅に及ぶ「動植綵絵」(どうしょくさいえ)で、綿密な描写ながら写生ではない創造性に溢れる傑作です。
若冲の絵が、250年経つ今も丹精で色鮮やかなのは、当時の最高品質の画布(絹)や画材(絵筆・顔料・膠)を使用しているからです。
若冲は、得意の鶏を描くときもすぐに写生せず庭で数十羽の鶏を自ら飼い一年の間、朝から晩まで鶏を眺め動き(ムーブマン)を観察、一年くらい経つと鶏の写生を2年あまり熱心に続けました。
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鶏が、納得いくよう描けるようになった若冲は、鶏のまわりにある草花や木さらに岩に至るまであらゆるものが、自由自在に描けるようになっていました。
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‘物を見る’とは、そういうことだろうと思います。
by blues_rock | 2016-06-26 00:06 | 美術/絵画/彫刻 | Comments(0)