ブログトップ | ログイン

心の時空

yansue.exblog.jp

a day in my life

帰ってきたヒトラー(後編)  シネマの世界<第603話>

映画のプロットは、本物の独裁者ヒトラーが、1945年のベルリン総統地下壕からタイムスリップし2014年に突如現われ、テレビ・新聞のメデイアやインターネットなどいろいろなスキルを駆使し「ドイツは、何も変わっていない!」とa0212807_22444081.jpg烈しく攻撃、国家改造が必要」と演説し大衆は、彼を求め始めるというストーリーです。
ヒトラーは、これをドイツ国民が、国家指導者として自分を求める国民耐多数の声と勘違いし再びドイツ政界に復帰して国家改造(一党独裁政権)することを‘神の意思’と考えました。
a0212807_22452327.jpgシリアスなSFコメディ映画「帰ってきたヒトラー」は、実在のドイツ既存政党を皮肉り、ヒトラーに熱狂する大衆を嘲笑い、ドイツ人として触れてはならないユダヤ民族のタブー(禁忌)も笑い飛ばすブラックジョークを連発、同時に痛烈な社会風刺を随所で見せるポテンシャルの高いシュールな映画でもあります。
a0212807_2246385.jpg映画の中でヒトラーが、ベルリンの街に現われ大衆と対話するシーンは、実際ベルリン市内でゲリラ撮影されヒトラーを崇めるネオナチ集団との間にトラブル(ヒトラー総統を冒涜したと激怒)が、発生するという騒ぎも起きています。
劇中でもヒトラーが、極右政党(ネオナチ)をくだらないと愚弄しそのダラシナサを批判、そのことでネオナチ党員らに襲撃され重傷を負い、そのことでヒトラーが、極右政党(ネオナチ)の暴力に立ち向かう社会正義のヒーローとして描かれ、このヒトラー人気にあやかって低支持率にa0212807_22463614.jpg悩む各政党は、彼に入党の誘いをかけるなどブラックユーモアのセンスも抜群です。
映画のラストに現在ドイツ国内はもとより、ヨーロッパ全域、世界中の至るところで起きている争い・対立・紛争の報道ニュースを見たヒトラーが、「好機到来」と喜ぶシーンは、背筋が凍るようなリアリティが、ありました。
ヴェント監督が、「ヒトラー復活の危険性が、常に存在していることを強調した」というように、この映画を当事国a0212807_22473893.jpgのドイツ人は、もとより、次期大統領選挙を控えるアメリカ合衆国の有権者、プーチン政権下のロシア市民、中国人民(中国はムリかな?北朝鮮は絶対ムリ)ほか、世界各国の人たち、もちろん未来に閉塞感の漂う私たち日本国民もぜひ見て欲しい映画です。
映画では、バラエティ番組の低視聴率を理由にリストラ宣告されたフリー社員が、ドキュメンタリーの取材中、a0212807_22523232.jpgベルリン陥落直前の1945年から現代にワープし突如現われたヒトラーを最初に発見し(第一発見者のフリー社員はヒトラーのそっくり芸人と思い込んでいた)彼を自分のクビ繋ぎにスカウトするも、やがてタイムスリップした本物の独裁者ヒトラーと気付き、さらにもう一人、ヒトラーに遭った認知症のユダヤ人老女も暗黒のヒトラー時代の悪夢を憶い出し本物のヒトラーと糾弾します。
a0212807_23105616.jpgフリー社員は、テレビ局の上司や同僚スタッフに‘彼は危険人物だ’と訴えるも視聴率至上主義のテレビ局側から逆に彼が、‘精神異常者’として精神病院に収容されるというオチも現代人への痛烈なアイロニー(皮肉)です。
by blues_rock | 2016-06-25 00:05 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)