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心の時空

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帰ってきたヒトラー(前編)  シネマの世界<第603話>

いやー、すばらしい! 最高! 最近公開された新作映画の中で一番 “おもしろい” 映画です。
現在公開中の映画「帰ってきたヒトラー」(原題 Er ist wieder da 彼が帰ってきた)の監督・脚本は、ドイツの俊英
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映画監督デヴィット・ヴェント(1977~)、製作が、「ヒトラー最期の12日間」のプロダクション、コンスタンティン・フィルム、この映画の主人公で ‘2014年のベルリンにタイムスリップしたアドルフ・ヒトラー’ を演じるのは、舞台
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俳優オリヴァー・マスッチ(1968~)で回りから浮いたヒトラーぶりが、‘お見事!’です。
無名ながら名優の域にあるオリヴァー・マスッチは、ヒトラーより少し大柄ながら話し方を真似、演説を暗誦し
a0212807_22293086.jpg丹念に(名優ブルーノ・ガンツとは違った意味で)独裁者ヒトラー総統の役作りを行ない、この怪物(モンスター)を名演しています。
現代にタイムスリップしたヒトラーは、自分が、ナチス・ドイツのフュラー(国家社会主義労働者党の総統)アドルフ・ヒトラー本人であると主張すればするほど回りに受け、素っ頓狂なヒトラーそっくりのモノマネ芸人(ヒトラー・ネタが芸風のコメディアン)a0212807_22302215.jpgとしてテレビのショウに引っ張りだこ、さらにYouTube・Twitter・Facebookも競って彼を取りあげアクセス急増と‥そんな社会現象を痛烈に笑い(おちょくっていて) この映画のひとつの見どころでもあります。
撮影監督ハンノ・レンツ(1965~)は、実在人物(メルケル首相や極右・極左政党の党首や活動家たち)の登場するドキュメンタリー映像とヴェント監督a0212807_2237235.jpg演出によるフィクションを交差させながら、さらに演出か実写か分からないよう‥顔にAV風なモザイクをかけたり、映っている人物の目に■を入れたり、映画を見ている者には判別できない虚実入り乱れたカメラワークが秀逸で、とくに突撃取材のようなハンデイカメラの迅速な動きや映像のブレは、映画にリアリティを与えていました。
a0212807_22382688.jpgヒトラーが、テレビのバラエティ番組やYouTubeでドイツの堕落は、無責任民主主義の悪弊とマスコミ報道の愚劣さによるものだと例のごとく大袈裟な身振り手振りで過激なプロパガンダ演説を行ないドイツの現状を罵倒すると「ヒトラーになり切っているモノマネ芸人」としてテレビを見ている大衆やサイトマニヤの若者たちに熱狂的に支持され、瞬く間にドイツで最も有名なコメディアンになりました。(後編に続く)
by blues_rock | 2016-06-24 00:04 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)