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心の時空

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a day in my life

古(いにしえ)の磁器

金継ぎをするようになって私は、古(いにしえ)の陶磁器に愛着を感じるようになりました。
古い道具類を愛でる骨董趣味は、私にありませんが、古陶磁器の美しいものには、つい目が、向いてしまい触a0212807_18561063.jpgれるものなら触らずにおれない衝動に駆りたてられます。
さりとて昨今、美しい古陶磁の器類は、博物館・美術館・陶磁資料館のガラス越しにしか見られず、当然のことながら現物に触ることなど夢のまた夢‥手で弄れるはずもありません。
だから、博物館・美術館・陶磁資料館に行くとき私は、必ずモノキュラー(愛用の Nikon 5倍単眼鏡)を持って行きます。
a0212807_18571836.jpgそして、魅力的な古陶磁器に出遭うとモノキュラーの焦点を合わせ、ガラス越しにゆっくり堪能、それを心の中で自分の手に持ち金継ぎなどの修理からカケ・ニュウ・ホツに至るまでじっくり見ています。
とくに私の好きな古唐津・古志野・初期伊万里・古伊万里の逸品のほとんどは、博物館・美術館・陶磁資料館のガラス・ケースにあるか、数寄者の個人コレクションに収まっており、必然的にガラス越しに見るか図録などの写真で見るだけ、実物を手にもち触れて見ることができません。
ならば‥と市場に出回る古唐津・初期伊万里・古伊万里などのワレ・カケ・変形した古陶磁を求め自分で修理しa0212807_18584185.jpg自己満足しているみみっちい趣味というわけです。
初期伊万里の特長は、生産された期間が、① 江戸時代初期のわずか27年間と極めて短いこと、② 器を素焼きせず呉須(コバルト)で絵付けすると釉薬を生掛けし焼成しているので表面に何とも言えないとろりとした釉に情緒があること、③ 初期伊万里の高台に付いた砂跡、指跡、そして窖窯(あまがま)焼成時の変形が見られること、などその個性a0212807_1902614.jpg豊かな表情に感動します。
初期伊万里のカケ皿が、これからどう生まれ変わるか、乞うご期待、です。
古伊万里錦手色絵蕎麦猪口、古伊万里輪花錦手膾皿、共に無疵なので金継ぎ修行者として少して迷いましたが、先日 ジャンコ で見た古伊万里色絵蕎麦猪口のことを思い出し古伊万里色絵(錦手)の魔力に負けつい購入してしまいました。
by blues_rock | 2016-06-08 00:08 | 金継ぎ/古美術/漆芸 | Comments(4)
Commented by マツオマユミ at 2016-06-08 13:58 x
相変わらず勉強になります。焼物が大好きな割には歴史とか皆目分かりません。だからこうして古賀さんの文章で学習出来るのは大変有り難いです(ただし、翌日にはすっかり忘れてますが(笑))単眼鏡、私も見習って買いましたがケチって安物買いで使い物になりません。今度は慎重に買おうと思ってます。
Commented by blues_rock at 2016-06-08 15:12
忘却は、感受性の宝です。
何度でも初心の感動に出遭えるのですから‥どんどん見て、つぎつぎに忘れ、何度でも初々しい心で感動する、恋と一緒‥なーんてね、キャー、キザー!
Commented by j-machj at 2016-06-09 00:19
とても高尚な趣味をお持ちですね。
映画、絵画、音楽と芸術全般にわたって、鋭い審美眼をもっていらっしゃる。
そんなblues_rock さんから、いつも自分の作品を評価してもらって、とても光栄に思います。
Commented by blues_rock at 2016-06-09 00:56
命の別名が、心なら、芸術の別名は、魂と思います。
魂のない芸術は、芸術ではないと私は、思っています。
とは申せ、すべて生理的な‘好きか嫌いか’が、判断基準なので私の場合、独断と偏見のごときものです。
白洲正子さんの云われた「どきどきさせるもの」こそ芸術の神髄であろうと思います。