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心の時空

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マルガリータで乾杯を  シネマの世界<第597話>

近年、インド映画に普遍的なテーマ(プロット)を描いた良質の感動作が、増えて私は、インド映画を多く見るようになりました。
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新作の2014年作品「マルガリータで乾杯を」始め「めぐり逢わせのお弁当」、「マダム・イン・ニューヨーク」と秀作(珠玉作品)が、続いています。
a0212807_1154165.jpg「マルガリータで乾杯を」(原題 Margarita, with a Straw 「ストローでマルガリータを」)の監督は、インドの中堅女性監督ショナリ・ボーズ(1965~、脚本も)で主人公の脳性まひで車イス生活の女子大生ライラを演じる若手演技派女優カルキ・ケクラン(1984~ インドに生まれインドで育ったフランス人女優)が、実にチャーミングで魅力的です。
a0212807_12241036.jpg主人公のライラは、重度の脳性マヒをもつボーズ監督の従妹が、モデルとか、主演したカルキ・ケクランは、クランクインする前にボーズ監督の従妹と一緒に暮らし実生活のすべてを学んだそうです。
この映画の見どころは、何と云ってもライラ役のカルキ・ケクランが、脳性マヒにより肢体は、不自由であっても好奇心に満ち聡明にして繊細、失恋し挫折しても前向きな自立心の強い普通の娘(19歳の女子大生)ライラをa0212807_12251176.jpg熱演、1989年映画「マイ・レフトフット」のダニエル・デイ=ルイス、1993年映画「ギルバート・グレイプ」のレオナルド・デカップリオ、2014年映画「博士と彼女のセオリー」のエディ・レッドメイン(「リリーのすべて」参照)に匹敵するくらい難しい障害者の役を名演しています。
ライラは、いつも笑顔を絶やさずキラキラした瞳を輝かせ自分の人生に体当たり、時として壁にぶつかり挫折し涙しても、いつもすっくと立ち上がり、自分の現実を素直に受け入れて決断する勇気をもち自分に正直に生きて行きます。
a0212807_12283062.jpgそんな娘にハラハラしながらも自立を温かく見守り慈愛に満ちた愛情で包む母親(劇中にガンで亡くなります)を演じたレーヴァティ(1966~ 彼女もボーズ監督の従妹のひとり)の存在感が、またすばらしく、ライラ役のカルキ・ケクランと実の母娘のようです。
a0212807_1232736.jpgボーズ監督は、ストーリーをテンポ良く語り、脳性まひの障害を抱えた若い女性の恋愛と性への好奇心(自慰・ポルノサイト鑑賞・全裸・キス・性行為)を女性監督らしい極めて自然な演出で描き、どのシーンもいやらしさがなく ‘きっとそうだろうな’ と見る者もライラの気持ちを素直に受け入れてあげます。
肢体まひで寝たきり障害者の性をテーマにしたヒューマンな秀作映画といえば「セッションズ」ですが、「マルガ
a0212807_12325255.jpgリータで乾杯を」は、脳性まひ障害者ライラの天真爛漫な恋愛と性を描く青春映画の秀作と云って良いでしょう。
フランス系ボリゥッド女優(というのも妙な言い回しですが)カルキ・ケクランの屈託のない爽やかな笑顔を見るだけでも「マルガリータで乾杯を」を見る価値は、あります。
by blues_rock | 2016-06-06 00:06 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)