12モンキーズ シネマの世界<第568話>
2035年の地球は、1996年に「12モンキーズ」と云うナゾの集団による猛毒のウィルステロで地球上に猛毒ウィルスが蔓延、人類のほとんどは、死滅してしました。
服役中の犯罪者ジェームス(ブルース・ウィリス 1955~)は、近未来の2035年から特赦を条件に危険な細菌テログループ「12モンキーズ」という得体の知れない組織からワクチン製造に必要な猛毒ウィルス原株を奪い持ち
ところが、タイムマシンのトラブルで1990年の地球へ到着しました。
異様なジェームスの言動は、精神異常者として逮捕され精神病院に強制入院させられました。
そこで精神病患者ジェフリー(ブラッド・ピット 1963~)と知り合いました。
患者ジェームスを担当する精神分析医キャサリン(キャサリン・ストウ 1958~)は、彼の異常な言動を妄想によるものと診断しました。
ストーリーは、主人公のジェームスにジェフリー、キャサリンが関わり、この三人を軸に展開、これにジェフリーの父で細菌学者ゴインズ博士(クリストファー・プラマー 1929~)とゴインズ博士の部下ピータース博士(デヴィッド・モース 1953~)、さらに2035年世界の植物学者・地質学者・動物学者・天体物理学者・微生物学者も登場してジェフリーの時空(現在・過去・未来)に絡んできますので三重構成(2035年⇔1996年⇔1990年)のそれぞれのシーンをしっかり見ていないと‘なんだかよく分からない’SF映画になってしまいます。
「12モンキーズ」は、映画冒頭とラストの同じシーンが、最も重要で三重時空(2035年⇔1996年⇔1990年)の長いトンネルに入るとジェームス(ブルース・ウィリス)の混乱にシンクロナイズして緊張してきます。
類希な演出才能をもつギリアム・マジックが、「12モンキーズ」の劇中いたるところで見られますので目を凝らし楽しみながらご覧ください。
エンドクレジットで流れるルイ・アームストロングの「What a wonderful world」も胸にジーンと沁み入るSF映画の怪作です。