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心の時空

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a day in my life

エレファント・ソング  シネマの世界<第547話>

あけましておめでとうございます。
いつも拙ブログをご覧くださりありがとうございます。
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2016年の「シネマの世界」も新作中心に私の好きな映画を一週間に2、3作品の予定でご紹介したいと思いますので、引き続き拙ブロクにお立ち寄りくだされば光栄です。
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さて、2016年新年最初にご紹介するのは、ベルギーの映画監督シャルル・ビナメ(1949~)の2015年日本公開心理サスペンス映画「エレファント・ソング」です。
a0212807_11161175.jpgカナダの作家ニコラス・ビヨン(1978~)が、2004年に発表した初めての戯曲作品「象の歌」を原作者ニコラス・ビヨン自らの脚本で映画化されました。
主演は、カナダの天才映画監督で名優グザヴィエ・ドラン(1989~ 「マイ・マザー」・「胸騒ぎの恋人」・「わたしはロランス」・「トム・アット・ザ・ファーム」・「Mommy/マミー」全5作すべてが秀作)です。
a0212807_11172142.jpg「エレファント・ソング」の脚本を読んだグザヴィエ・ドランは、主人公のマイケルに自分を重ね合わせ「これは僕だ」と出演を熱望したそうです。
グザヴィエ・ドランは、子供のときソプラノ歌手の母親を自殺で亡くし、その時以来ずっと精神病院に入院しているゲイの美青年マイケルを類稀な演技力で鮮やかに演じ、見る者を映画にぐいぐい引き込んでa0212807_1121598.jpgいきます。
切ない過去でしかない母親との生活、一度しか会ったことのない父親との悲しい思い出など謎に包まれたマイケルの生と愛は、彼の精神を屈折させ入院以来精神病院内でも問題の多い患者として主治医のローレンス(コルム・フィオール1958~)や看護師長のピーターソン(キャサリン・キーナー 1969~)など他者を翻弄し続a0212807_11225719.jpgけていました。
映画は、心理サスペンス劇として展開して行きます。
1947年、キューバの歌劇場でソプラノ歌手が、プッチーニのアリア「私のお父さん」を歌い、終演後の華やかなパーティ会場で歌手の息子である少年は、話し相手もなく一人取り残されていました。
それから数年後、カナダの聖クリスティーナ精神病院に入院中のマイケルは、、美しい青年に成長しましたが、ゾウにしか関心を示a0212807_11304258.jpgさない問題の多い患者でした。
ある日、マイケルの主治医でもある精神医のローレンスが、病院から失踪、ローレンスを最後に目撃したのは、マイケルでした。
クリスマス休暇中のグリーン院長(ブルース・グリーンウッド 1956~「ドローン・オブ・ウォー」に出演)が、病院理事長からマイケルへの事情聴取のため呼び戻されました。
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看護師長のピーターソンは、マイケルの特異性と異常な行為をグリーン院長に報告、事情聴取を止めるよう進言しますが、理事長の特命なのでマイケルから直接事情を聞くと伝えました。
a0212807_12105814.jpgマイケルは、ローレンス医師のことを質問するグリーン院長に‘ゾウのぬいぐるみ’や‘自分の全裸写真’などで話題を逸らし、ローレンス医師の居場所を教える条件として「自分のカルテを読まないこと」、「チョコレートを用意すること」、「看護師長のピーターソンを関与させないこと」の3つを提案しました。
a0212807_12113531.jpgグリーン院長と看護師長のピーターソンが、元夫婦で、過去に幼い娘を水難事故で亡くしており、そのことが原因で、離婚していることをマイケルは、知っていました。
グリーン院長の再婚相手オリビア(キャリー=アン・モス 1967~、1999年映画「マトリックス」のトリニティ役で脚光)の存在も映画にオフビートのような効果をもたらしています。
a0212807_121254100.jpgマイケルは、失踪したローレンス医師と自分の同性愛関係をほのめかすようなことをグリーン院長に語り始めました。
聖クリスティーナ精神病院は、過去に性的な不祥事を起こしていることもあり、グリーン院長の動揺を見透かすように翻弄します。
ここまでが伏線でマイケルの閉ざされた謎に包まれた暗く深い心の闇は、ここから次第に語られていきます。
a0212807_1246687.jpgビナメ監督の演出をカナダの撮影監督ピエール・ギル(1964~、2000年「アート・オブ・ウォー」撮影など)のカメラが、丁寧に捉えています。
心理サスペンス映画「エレファント・ソング」は、俳優グザヴィエ・ドランの類稀な真迫の演技とブルース・グリーンウッドの老練な演技が、火花を散らし、これに名女優キャサリン・キーナーとキャリー=アン・モス二人の熟練の演技も加わるという映画ファン必見の秀作映画です。 (「エレファント・ソング」の詳しい解説サイトはこちら
by blues_rock | 2016-01-01 01:15 | 映画(シネマの世界) | Comments(2)
Commented by j-machj at 2016-01-01 13:02
明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。

世間は「スター・ウォーズ」で盛り上がっていますが、僕は『ブリッジ・オブ・スパイ』を楽しみにしています。
なんといっても、スピルバーグ、トム・ハンクス、コーエン兄弟の三拍子ですからね。
今年も、映画の論評を参考にさせて頂きます。
Commented by blues_rock at 2016-01-01 18:27
j-machjさま、あけましておめでとうございます。
「ブリッジ・オブ・スパイ」は、今週末の封切りなので私も急ぎ駆け参じようと思っています。
私が、首を長くして待っているのは、マーティン・スコセッシ監督の最新作「Silence」です。
名匠スコセッシ監督が、遠藤周作原作の「沈黙」を20年余年の長い時間かけ満を持して完成させた作品なので楽しみです。
日本人俳優として浅野忠信・塚本晋也・窪塚洋介・イッセー尾形とキャストも文句なし、篠田正浩監督1971年作品の「沈黙」とじっくり比較しながら楽しみたいと思います。