螺鈿紫檀五絃琵琶(正倉院宝物展)
五絃琵琶装飾の漆螺鈿細工技法は、当時の日本(奈良時代)にはない最高技術で螺鈿材料の貝も南海のめずらしい夜光貝を使用、‘ラクダの背で琵琶を弾くペルシャ人’の意匠も西域から齎(もたら)されたものです。
正倉院は、東大寺宝物倉庫として建てられたものですが、四季(夏季の高温多湿、冬季の低温乾燥)の特性を生かした高床式校倉造りという高度の保存技術は、発想と併せ驚異的で古の宝物を絵奈良時代そのままに1259年後の現在に伝える見事なタイムカプセルです。
昭和27年(1952年)に録音されたという螺鈿紫檀五絃琵琶の音色が、展覧会場に流れ遥か遠い昔、天平の人びともこの音色を聴いていたのかと思うと感慨も一入(ひとしお)です。
会場の混雑を想定していましたので単眼鏡を持参、螺鈿工芸技術の粋は言うに及ばず、古の絃楽器としての魅力も堪能‥五弦ボディ(槽)・ピックガード(撥面)・ヘッド(鹿頸)・ペグ(絃巻)・フィンガーボード(柱)・ブリッジ(覆手)さらにサウンドホール(半月)のディテールに至るまで今に至るギター構造の源流を発見、感動しました。
秋の光明禅寺(余話)
福岡には、観光客の多い京都までわざわざ出かけずとも知る人ぞ知る静かな古刹や名刹が到るところにあり、私は、四季折々、衆生の煩悩を鎮めに訪ねています。
門前払いでトボトボ帰って来ました。
でも天満宮の入口手前を右に行った突き当りのお寺にお庭を見に行って、
日本のお庭の素晴らしさに癒されて帰りました。
九州国立博物館は、またトライします(正倉院宝物は見れませんが)26772677
博多港に寄港したクルーザー観光客の人気スポットのようで、天満宮参道は、70年代の原宿竹下通り(私の個人的な感想)のような混雑と外国語の氾濫に‘ここはどこ?’状態ながら、焼き立ての梅が枝餅を一つ食べ瑛古美術店に立ち寄るのが、私の大宰府行楽です。