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心の時空

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a day in my life

法廷劇の秀作映画(前編)  シネマの世界<第523話>

私が、日本映画で‘法廷劇(裁判ドラマ)’の秀作3作を上げるなら1978年の「事件」、1982年の「疑惑」、2007年「それでもぼくはやっていない」でしょうか?
a0212807_21302630.jpg1978年の法廷劇映画「事件」の見どころは、1974年の秀作映画「砂の器」(‥劇中、ライ病の父と子が日本各地を放浪する14分に及ぶ悲劇シーンの美しさに感動、涙が止まりませんでした)を撮った監督の野村芳太郎(1919~2005)、撮影監督の川又昂(1926~)、音楽監督の芥川 也寸志(1925~1989)の製作スタッフを軸に、出演者も犯人役の永島敏行(1956~)、被害者役の松坂慶子(1952~)、犯人の恋人で被害者の妹役に大竹しのぶ(1957~)、裁判長に佐分利信(1909~1982)、弁護士の丹波哲郎(1922~2006)、検事の芦田伸介(1917~1999)と若手実力派ならびにベテラン演技派の名優ぞろいで、さらに証人役として裁判所の証言台に立つ俳優陣もずらり個性派の俳優たちが、脇をピシッと固め、法廷劇の緊張を高めています。
a0212807_21495945.jpg神奈川県相模川沿いの山林で若い女性(松坂慶子)の刺殺死体が、発見されその数日後、神奈川県警は、現場近くの山道を下りて来るところを目撃された19才の工員(永島敏行)を殺人容疑で逮捕しました。
犯人は、被害者の妹(大竹しのぶ)と同棲し妊娠三ヵ月、殺された姉は、妹の恋人である犯人に横恋慕し妹を嫉妬していました。
法廷での冒頭陳述から次第に事件の顛末が、明らかになり、弁護側と検察側の証人訊問で本当に犯人は目撃a0212807_21523526.jpgされた造船所工員なのか、犯人なら殺人の動機は何か、出廷する証人の証言に信憑性はあるのか‥ミステリーのような法廷劇に興味津々、つい見入ってしまいました。
1982年の法廷劇映画「疑惑」もまた「砂の器」、「事件」と同様、野村芳太郎監督と野村監督作品の撮影を数多く担う盟友の撮影監督川又昂の強力コンビです。
脚本を何と原作者の松本清張が、自分で書き、映画のプロットは、被害者に掛けられていた3億円保険金をめぐる殺人事件そして保険金詐欺事件の法廷劇です。
この映画の主人公で毒婦を演じた桃井かおり(1952~ 元クラブホステスで被害者の妻を演じる桃井かおりが凄みのある悪女を熱演)と無理やり彼女の弁護を引受けさせられた女弁護士役の岩下志麻(1941~ 開き直った迫力のある弁護士ぶりが秀逸)との壮絶な演技バトルが、一番の見どころです。
a0212807_21544343.jpg怪優丹波哲郎が、この映画でも弁護士の役で出演、丹波哲郎の弁護士もなかなか板に付いています。
野村監督は、法廷劇の包丁捌き(演出)も堂に入ったもので、現場検証、物的証拠の鑑定、アリバイと証人尋問など法廷劇の料理材料仕込みも、その盛り付け方も見事な設えです。 (後編に続く)
by blues_rock | 2015-10-04 00:04 | 映画(シネマの世界) | Comments(2)
Commented by j-machj at 2015-10-06 23:29
こんばんは。

僕は、小説家の中で松本清張は森村誠一とともに特に好きな作家です。
高校の時から、カツパの本で彼の作品をよく読んでました。

よく「原作を凌ぐ映画はほとんどない」と言われますが、この「砂の器」は、かなり頑張った映画だと思います。
仰るとおり、クライマックスシーンのハンセン氏病の父とその子供の旅のシーンの映像の美しさですよね。
これは、映画ならばのものだと思います。
Commented by blues_rock at 2015-10-07 00:51
j-machjさん、いつも拙ブログを読んでくださりありがとうございます。
映画について私は、日ごろ監督・脚本・俳優、最低この三つの条件をクリアすれば、良い映画ができると思っています。
このところ映像(撮影)と美術(ライン・プロダクション)の監督名も注意して見ています。
映画ですもの映像が、美しく、インパクトなければ、感動しませんよね。