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心の時空

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古瀬戸筒茶碗 銘「呼継」

a0212807_211691.jpg先日の日本経済聞朝刊(文化欄 コラム「破格の陶芸」)に‘古瀬戸筒茶碗 銘「呼継」’(右写真 永青文庫所蔵)についての記事がありました。
この古瀬戸筒茶碗は、織田有楽斎(利休の弟子、織田信長の弟)、細川三斎(利休の弟子、肥後細川家初代細川忠興、細川ガラシャは正室)と伝承された日本最古の‘呼び継ぎ’茶碗銘(室町時代と推定)です。
古瀬戸筒茶碗の欠けたところに中国(南京染付)磁器片を継ぐという大胆な発想に茶の湯に精通した古(いにしえ)の数寄者たちの優れた美意識を感じます。
この‘呼び継ぎ’の技法自体、超難度のテクニックを要する技術ではありませんので、やはり讃えるべきは、それを破格の美として評価した先人の感性(センス)にあります。 (下写真:古志野呼継筒茶碗 銘「五十三次」‥すばらしい! 見事な出来映えの呼継茶碗です。)
a0212807_2134831.jpg古の茶人は、気に入った茶の湯道具(茶碗、花器、水指など)の欠けや割れを自然なものとして受け入れ、破れたり、壊れたりした陶器を補い直し、それを景色に見立て新しい破格の美として愛でました。
欧州では、絵画・彫刻など古美術品の傷や亀裂の修復は、その疵や傷みをできるだけ分からないように隠す技術にあります。
損傷をはっきり見せる日本の美意識と損傷を分からないよう元どおりに修復する欧州の美意識‥私は、日本伝来の「侘びと寂びの文化」を理解するヒントが、ここにあるように思います。
by blues_rock | 2015-09-30 00:30 | 金継ぎ/古美術/漆芸 | Comments(0)