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心の時空

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肉体の悪魔  シネマの世界<第515話>

a0212807_1083998.jpg映画は、フランスの夭折の作家レイモン・ラディゲ(1903~1923病没、享年20歳)の長編処女作「肉体の悪魔」(Le Diable au corps)を原作にしています。
レイモン・ラディゲは、10代から天才詩人として詩人マックス・ジャコブ(1876~1944 芸術革新運動~キュビズム・シュールレアリスムの提唱者、ナチスのユダヤ人迫害でパリのドランシー収容所で死亡)に見出され、とくにマルチ前衛芸術家のジャン・コクトー(1889~1963 日本の相撲と歌舞伎の大ファンでした)とは、レイモン・ラディゲが、亡くなるまで共同活動を続けました。
ジャン・コクトーは、1923年に病気のレイモン・ラディゲを看取るとその喪失感から彼の死後10年にわたりアヘンに依存して精神の空白を埋めていました。
映画の原作であるレイモン・ラディゲの小説「肉体の悪魔」は、彼が14歳のころ出遭った年上の女性をファムファタルにして書かれレイモン・ラa0212807_1094595.jpgディゲ自身の心の動きをクールに観察し、その感性のありのままをシンプルな表現で小説にしています。
希代の作家三島由紀夫は、レイモン・ラディゲの「肉体の悪魔」が、自分の少年期の聖書であったと述懐しています。
映画「肉体の悪魔」は、1986年イタリアの名匠マルコ・ベロッキオ監督(1939~ ミラノ出身、若いころ哲学を学びイタリア共産党入党、その後精神分析a0212807_1013573.jpg学に傾斜、新作は「眠れる美女」)によりリメイクされ、主人公のファムファタルとなる小悪魔のような年上の女性をマルーシュカ・デートメルス(1962~ 当時24歳、妖しく美しい)が、官能的に演じています。
リメイク版のイタリア映画「肉体の悪魔」の主人公(語り手)は、フェデリコ・ピッツァリス(プロファィル不詳)と云うイタリアの若い俳優ですが、1947年公開のフランス映画「肉体の悪魔」では、貴公子と称された当時25歳のジェラール・フィリップ(1922~1959、「モンパルナスの灯」で演じた天才画家モディリアニは秀逸)が、主人公a0212807_10141989.jpgを演じています。
こういうエロティシズム溢れる官能的な映画を言葉で説明するのは、難しくかつ野暮なことなので、ぜひ映画をご覧いただきたいと思います。
この映画冒頭、いきなり主人公を虜(とりこ)にし翻弄する小悪魔の年上女性(マルーシュカ・デートメルス)の妖しく美しい肢体と虚ろ(デリケート)な目の雰囲気は、すでに彼女が、どこか普通とは、違った存在でa0212807_10152524.pngあると映画を見ている者は、すぐに感じます。
直情的な感情によりエキセントリック(奇矯)な行動や行為をする小悪魔のような若い女‥かつその心が、男に触れると性愛で応える自由奔放な女、こんな女性(ファムファタル)に魂を奪われた男性は、さぞ心乱れ活きた心地が、しない日々でしょうね、きっと。
by blues_rock | 2015-09-11 00:11 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)