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心の時空

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トゥモロー・ワールド  シネマの世界<第499話>

a0212807_8461055.jpgメキシコの映画監督にして鬼才アルフォンソ・キュアロン監督(1961~)の2013年SF映画「ゼロ・グラビティ」は、アカデミー賞監督賞以下7部門で受賞するという快挙を成し遂げました。
キュアロン監督が、その7年前の2006年に同じメキシコの名撮影監督エマニュエル・ルベツキ(1964~ 「ゼロ・グラビティ」、「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡) こちら」で連続アカデミー賞撮影賞受賞)と組んで発表した「トゥモロー・ワールド」(監督・脚本・編集、原題 Children of Men 人類の子供たち)は、SFディストピア映画の秀作です。
鬼才キュアロン監督と名匠ルベツキ撮影監督という映画界屈指の強力タッグが、取り組んだ数々の「長回し」が、この映画の最大の見どころです。
とくに映画の終盤、6分におよぶ戦闘シーンの‘長回し’を始め、映画冒頭、主人公が巻き込まれるテロの爆破シーン、乗用車の襲撃シーン、子供の出産シーンなど長回し(と見えるように)撮影されたカメラ映像は、臨場感にあふれ、ディストピア(悪夢のような近未来)映画ながら迫力とリアリティのある映画でした。
a0212807_8494018.pngストーリーは、2027年11月のイギリスが、舞台です。
世界中の国々が、内戦やテロによって壊滅、政府の統治機能は、崩壊していました。
イギリスだけが、強力な軍事力でどうにか秩序を維持‥と云っても言論統制・情報操作・警察国家・官僚支配による国家権力は、全体主義思想により徹底的に国民を管理・統制していました。(東アジアのどこかの国とそっくりです。)
a0212807_850317.jpg政府は、国民に見せかけの自由(パンとサーカスの愚民政策)を与え、「イギリスこそ理想社会」と洗脳、‘人間の尊厳’を訴え支配体制(国家権力)に抵抗する人びとや組織(レジスタンス)には、治安警察(政府軍)が、容赦ない弾圧と制裁を加え社会から排除し隔離地域(ナチスドイツのユダヤ人ゲットーのよう)に収容していました。
a0212807_8512255.jpgイギリスには、世界中から多数の不法移民が、押し寄せ治安は、悪化するばかりでした。
ある日、市街地で爆破テロが発生、エネルギー省に勤務するセオ(クライヴ・オーウェン 1964~「シャドー・ダンサー」 こちら)は、危なく犠牲になるところが、運良く難を逃れました。
翌日の朝、セオは、出勤途中に反政府グループに拉致されました。
a0212807_8541119.jpgリーダーは、過っての妻ジュリアン(ジュリアン・ムーア 1960~「アリスのままで」 こちら)で、セオに政府高官のイトコがいることを知る彼女は、一人の若い不法滞在者が、検問所を突破するための「通行証」を手に入れるよう要求しました。
不法滞在者は、若い黒人女性で検問所に向かう途中、セオたちを乗せる車が、何者かの襲撃に遭いジュリアンa0212807_855613.jpgが、撃たれて死んでしまいました。
レジスタンスのアジトに身を隠したセオは、キーという若い黒人女性が、妊娠しており出産間近であることを知りました。
核戦争による放射能汚染と地球環境破壊の影響で人類は、生殖機能を喪失し18年間、新たな生命の誕生がなくキーの出産は、奇跡に近いものでした。
a0212807_901284.jpgセオは、キーと産まれた赤ん坊を救うべく決死の逃避行を始めました。
共演者として名優マイケル・ケイン(1933~)、キウェテル・イジョフォー(1977~「それでも夜は明ける」 こちら)などが、出演しています。
イギリスの前衛音楽家ジョン・タヴナー(1944~2013) のサウンド・トラックもすばらしく、劇中に流れるディープパープルの「ハッシュ」(1968)、キング・クリムゾンの「クリムゾン・キングの宮殿」(1969)、ローリングストーンズa0212807_905051.jpgの「ルビー・チューズデイ」(1967 フランコ・バッティアートのカヴァー)、エンドスクロールでは、ジョン・レノンの「ブリング・オン・ザ・ルーシー」(1973)を聴くことができます。
by blues_rock | 2015-07-27 08:40 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)