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心の時空

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脳内ニューヨーク  シネマの世界<第497話>

フィリップ・シーモア・ホフマン主演の2008年映画「脳内ニューヨーク」、エドワード・ノートンと共演した2002年映画「25時」、短い出演時間ながらしっかりと存在感のある役どころを演じた2003年映画「コールド・マウンテン」(アンソニー・ミンゲラ監督、ニコール・キッドマン、ジュード・ロウ主演)いずれもフィリップ・シーモア・ホフマンが、出演(主演あるいは
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共演)しているので見た映画です。
2008年映画「脳内ニューヨーク」は、奇想天外なストーリーで名高い脚本家チャーリー・カウフマン(1958~)の初監督作品(共同製作・監督・脚本)ですが、奇想天外な発想の原点は、1999年映画「マルコヴィッチの穴」(監督
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スパイク・ジョーンズ)の脚本(と製作総指揮)に始まると思います。
「脳内ニューヨーク」の原題は、「Synecdoche, New York」‥Synecdoche(シネクドキ)とは、修辞表現としての比喩の一種で提喩(ていゆ)のこと、metaphor(メタファー)の隠喩(いんゆ)・暗喩(あんゆ)に比べ、一般的な言葉とは
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云えませんが、提喩の例を挙げれば、宝飾界で「石と云えば宝石」のこと、刑事が「星と云えば犯人」のこと、などです。
隠喩・暗喩の例なら、「人生は旅のようなもの、人は皆なそれぞれの旅をしている」という表現になるでしょう。
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閑話休題、原題の「提喩ニューヨーク」を「脳内ニューヨーク」と日本語訳したのは、映画が、主人公の演出家ケイデン(フィリップ・シーモア・ホフマン)の妄想や夢、現在と過去の混在したシークエンス(シーンの連続)であることから提喩してケイデン(フィリップ・シーモア・ホフマン)の脳内にあるニューヨークとしたのでしょう。
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「脳内ニューヨーク」でフィリップ・シーモア・ホフマンと共演するのが、キャサリン・キーナー(1959~ 「マルコヴィッチの穴」、「カポーティ」)、エミリー・ワトソン(1967~ 1996年「奇跡の海」でデビュー)、ミシェル・ウィリアムズ(1980~)、ダイアン・ウィースト(1948~)など新旧の名女優たちです。
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ともあれ映画は、フィリップ・シーモア・ホフマンの‘一人芝居’のような映画です。
「脳内ニューヨーク」の中でケイデンの記憶が、1週間なのに時間は、1年経っていたり、ニューヨークの街を覆う巨大な建造物や上空に浮かぶ宇宙船(あるいは飛行船)のようなものまで登場したり、シュールなのかSFなの
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か、良く分からないまま展開していくものの、妙にリアリティのある映画で、「マルコヴィッチの穴」をおもしろいと思われた方には、興味深く楽しんでいただける映画だろうと推察します。
(上写真:フィリップ・シーモア・ホフマンに演技のチェックをしているチャーリー・カウフマン監督)
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「25時」は、スパイク・リー監督(1957~)の2002年作品で、エドワード・ノートン(1969~ 「バードマン~あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」)が主演の映画です。
何者かに密告され逮捕された麻薬の売人主人公モンゴメリー(エドワード・ノートン)が、裁判所から刑期7年の
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判決を受け、刑務所に収監される前日に与えられた自由な25時間を描いています。
モンゴメリーの幼なじみで親友のジェィコブ(フィリップ・シーモア・ホフマン)は、母校の高校で国語教師をしていました。
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モンゴメリーは、母校にジェィコブを訪ね、刑務所に入る前のお別れパーティに来て欲しいと誘いました。
もう一人の親友フランク(バリー・ペッパー 1970~)は、ウォールストリートで株のディーラーをしていました。
この3人にモンゴメリーの妻ナチュレル(ロザリオ・ドーソン 1979~ 上写真、2010年「アンストッパブル」で操車a0212807_1534535.jpg場長を好演)とジェィコブの教え子で女子高生メアリー(アンナ・パキン 1982~ 「マーガレット」の演技は秀逸)が、絡んでストーリーは、ドラマティックに展開して行きます。
今は亡き名優フィリップ・シーモア・ホフマンの存在感と演技の巧さが、光る作品です。
麻薬犯罪に絡む映画にしては、暴力や殺人などの血なまぐさいシーンがなく、名撮影監督ロドリゴ・プリエト(1969~)は、モンゴメリーの忸怩(じくじ)たる心情を代わって表わしているように抑え気味のトーンで撮っています。
(上写真:エドワード・ノートンとフィリップ・シーモア・ホフマンに演技確認するスパイク・リー監督)
by blues_rock | 2015-07-21 00:02 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)