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心の時空

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リスボンに誘われて  シネマの世界<第489話>

ドイツ・スイス・ポルトガル合作の傑作映画「リスボンに誘われて」(2014年秋公開)は、EU(ヨーロッパ連合)映画と称して良いような製作陣(スタッフ)と出演者(キャスト)です。
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監督は、デンマークの名匠ビレ・アウグスト監督(1948~)、撮影が、スイスの撮影監督フィリップ・ツンブルン(1969~)、音楽は、ドイツの作曲家アネッテ・フォックス(1964~)と続きます。
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スイスの作家で哲学者でもあるパスカル・メルシエ(1944~)の小説「リスボンへの夜行列車」(映画の原題も同じ)をアウグスト監督は、スイスの首都ベルンとポルトガルの首都リスボンを舞台に格調高いミステリー映画にしa0212807_1901836.jpgました。
出演者も多国籍で名優ぞろい‥イギリスからジェレミー・アイアンズ(1948~)、ジャック・ヒューストン(1982~)、シャーロット・ランプリング(1946~)、クリストファー・リー(1922~2015遺作)、フランスからメラニー・ロラン(1983~)、スイスからブルーノ・ガンツ(1941~)、スウェーデンからレナ・オリン(1956~)、ドイツからアウグスト・ディール(1976~)、マルティナ・ゲa0212807_1912299.jpgデック(1961~)と錚々たる顔ぶれで、映画は、英語で撮っています。
ポルトガルの史実をもとにミステリー仕立てにした映画プロットならびにアウグスト監督の演出さらにツンブルン撮影監督の映像と文句なくすばらしい映画ですので、未だご覧になっていないミステリー映画ファンの方にイチオシの映画です。
a0212807_1993676.jpgミステリー映画なので肝要なところは、避けてストーリーの骨子(あらすじ)だけを紹介します。
スイス(ベルン)の高校で古典文学教師をしているライムント(ジェレミー・アイアンズ)が、橋の上から飛び降り自殺しようとしている若い女性を救いました。
彼女の只ならぬ様子を心配したライムントですが、彼女は、突然いずことなく立ち去りました。
a0212807_19485439.jpg彼女の残したコートに一冊の本と当日のポルトガル(リスボン)行き夜行列車の切符が、残されていました。
高校教師としての単調な毎日に不満も疑問もなかったライムントでしたが、彼女の残した本を読むうちに何かに憑かれたように惹きこまれ、学校の授業を放棄、解雇するとの警告も無視してリスボン行きの夜行列車に飛び乗りました。
a0212807_19494424.jpg本の名前は、「言葉の金細工師」、ポルトガル近代史(1974年カーネーション革命)に関わる重大な事実が、書かれており100冊しか出版されていない貴重な本でした。
リスボンに着くと著者のアマデウ(ジャック・ヒューストン)に会いに行きました。
しかし、アマデウは、すでに亡くなっていました。
a0212807_19503342.jpg貴族の子弟でありながら医師アマデウは、ポルトガルの独裁政権による暗黒社会の解放に向け、密かに祖国の自由と民主化をめざすレジスタンスに関わっていました。
アマデウの医師としての誇り、貴族として革命をめざす苦悩、親友同志との友情そして裏切り、すべてを賭けた恋、アマデウの短い人生をたどるライムントの旅は、自分自身のこれまでの人生を見つめ直す旅にa0212807_19512158.jpgなりました。
ツンブルン撮影監督の撮ったリスボンの風景が、息を飲むほど美しく、私も無性にリスボンの石畳を歩いてみたくなりました。
アマデウを埋葬したバルトロメウ神父(クリストファー・リー)、アマデウの親友だったジョルジェ(ブルーノ・ガンツ、若い頃はアウグスト・ディール)、アマデウの恋人となるジョルジェの元恋人エステファニア(メラニー・ロラン、老いたエステファニa0212807_19521563.jpgアにレナ・オリン)など錚々たる顔ぶれが、アウグスト監督の演出のもと映画をシリアスな人間ドラマとして盛りあげ、同時に格調高いミステリーにしています。
アマデウの過去を知ったライムントは、これからの人生を考えました。
ライムントが、ポルドガルを発つ日、リスボン駅に老人ホームにいる自分の父親(元レジスタンスでアマデウ・ジョルジュ・エステファニアと同志)を紹介した眼科医のマリアナ(マルティナ・ゲデック)が、見送りに
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来ていました。
このリスボン駅のラスト・シーン(上のポスター中ほどの写真、映画史に残る別れの名シーンです)は、その然(さ)りげない二人の会話が、実にすばらしく、私の胸にぐっと迫りました。
by blues_rock | 2015-06-24 00:04 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)