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心の時空

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海街 diary  シネマの世界<第488話>

いまやカンヌ国際映画祭の審査員長を委嘱されるくらい知名度、実力ともに世界的な映画監督となった是枝裕和監督(1962~)の長編映画9作目となる新作が、現在全国公開中の「海街 diary」です。
a0212807_1415890.jpg是枝監督の映画は、1995年の初監督作品「幻の光」(江角マキコの女優デビュー作品)、1999年「ワンダフルライフ」、2004年「誰も知らない」(主演の柳楽優弥がカンヌ国際映画祭主演男優賞受賞)、2006年「花よりもなほ」、2008年「歩いても 歩いても」、2009年「空気人形」(韓国女優ペ・ドュナがすばらしい、「私の少女」主演)、2010年「奇跡」、2013年「そして父になる」(カンヌ国際映画祭審査員賞受賞)、そして2015年「海街 diary」と、すべて見ました。
新作「海街 diary」(是枝監督、脚本・編集)は、晩秋から翌年の夏にかけて変化していく鎌倉の自然と海の景色をバックに四姉妹が、家族になっていく物語です。
a0212807_1572891.jpg私の個人的な感想ながら是枝監督は、自分のテーマである‘家族’を「そして父になる」の舞台であった大都会の東京から古都鎌倉に移し、「海街 diary」もまた‘家族(と父親の存在)’をプロットに、その第二幕の「そして父はいなくなった」として撮り「小津安二郎監督へのオマージュ」にしたのではないかと思いました。
a0212807_1583187.jpg「海街 diary」は、タペストリーのように自然豊かな美しい海街、鎌倉(極楽寺周辺)で暮らす四人姉妹(皆な美人で気立てが良い)を中心に彼女たちの回りにいる善き人びと(悪人は一人もいない)とのエピソードを一つずつ丁寧に紡ぎあげて行きます。
是枝監督の卓越した演出の技は、‘神は隅々に宿る’の例えどおり、主人公の四姉妹も均等に描かず、長女と四女の心(内面)の動きで、a0212807_235414.jpg四姉妹の関係にメリハリをもたせ、登場人物(映像に映る人たちすべて)への演出が、隅々にまで行き届いています。
撮影は、是枝監督に見出され「そして父になる」で撮影監督デビューしたスチールカメラマン出身の撮影監督瀧本幹也(1974~ )が、今回も担い、瀧本撮影監督の撮った映像を是枝監督自らこだわり抜いた編集をしています。
a0212807_242347.jpg映画は、6月13日に封切られたばかりなので主人公四姉妹の特徴だけご紹介します。
長女幸(さち、綾瀬はるか 1985~)は、市立病院の看護師、恋人は、既婚者の同僚医師、家族を束ねるしっかりもの、15年前出奔し家族を捨てた父親とその後再婚し家を出た母親へのワダカマリを抱えています。
a0212807_245914.jpg次女佳乃(よしの、長澤まさみ 1987~「WOOD JOB!神去なあなあ日常」)は、飲兵衛で男運悪く、何かと口やかましい長女の幸と口ゲンカばかりしています。
三女千佳(ちか、夏 帆 1991~)は、いつもマイ・ペースながら、人に分け隔てなくやさしい娘です。
四女すず(広瀬すず 1998~)は、三人の姉と腹ちがいの妹で、映画の冒頭、父親の葬儀で三人の姉に初めて会うものの自分の好きa0212807_254176.jpgな父が、15年前に姉たちの家庭を捨て母(故人)と結婚、そして生まれた自分を三人の姉たちに対し後ろめたく思っています。
四姉妹に関わる共演者(脇役)たちが、名優・名女優揃いで、大叔母役の樹木希林、喫茶店山猫のマスター役にリリー・フランキー、海猫食堂の女主人役を風吹じゅん、次女佳乃の勤める信用金庫の上司課長役を加瀬亮、長女・次女・三女の母親役に大竹しのぶa0212807_261939.jpgほか、錚々たる顔ぶれです。
「海街 diary」には、三つの葬祭(四姉妹の父親の葬儀、祖母の7回忌、海猫食堂女主人の葬儀)と二つの別れ(長女幸と恋人、幸と母親)が、あるものの映画では、どのエピソードも静謐(しずか)に淡々と展開していきますのでワンカット・ワンシーンのどれも一期一会のような趣きが、ありました。
by blues_rock | 2015-06-22 01:35 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)