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心の時空

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a day in my life

0.5ミリ  シネマの世界<第506話>

安藤桃子監督(1982~)と女優安藤サクラ(1986~)の安藤姉妹は、現在日本映画界最強の ‘監督と女優’ペアと思います。 (「0.5ミリ」主演、妹 安藤サクラ 2014年映画「百円の恋」の主人公一子役も秀逸)
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安藤姉妹の二人に失礼なことを承知して敢えて例えるなら、競馬場(スクリーン)を人馬一体となって疾走する馬に騎乗する名騎手(監督)が、姉桃子で、妹のサクラは、正しく風のように疾走する名馬(女優)のように私の目に映ります。                                 (「0.5ミリ」脚本・監督、姉 安藤桃子)
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馬(サラブレッド)は、血(血統)で走ると言われますが、この安藤姉妹の映画人としての血統(才能)は、名優にして名監督の奥田瑛二(1950~、1993年「眠らない街 新宿鮫」‥主演真田広之との濃厚なキスシーンが印象的、2001年初監督作品「少女」‥主演の少女役小沢まゆと母親役夏木マリ母娘が、激しく諍うシーン4分の長回
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しは、秀逸、2006年監督作品「長い散歩」‥主演に名優緒方拳を迎え共演、モントリオール国際映画祭でグランプリ受賞)の血をひいているのかもしれません。
さて、2014年映画「0.5ミリ」は、安藤桃子監督が、自分の小説「0.5ミリ」を原作にして脚本を書き監督、主人公の
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押しかけ介護ヘルパー、山岸サワ役を妹の女優安藤サクラが、演じています。
映画は、父親の奥田瑛二が、製作総指揮(エクゼスティブ・プロデューサー)を務め、母親のエッセイスト安藤和津(1948~)もスタッフ(フード・コーディネーター)として参加、主人公のワケあり押しかけ介護ヘルパーの山岸サワ(安藤サク
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ラ)にからむ共演者は、名優津川雅彦(1940~)始め柄本明(1948~)ほか個性的な顔ぶれの老優たちが、しっかり脇を固め、高齢化社会の切実な現実をリアルにとらえ、映画に登場する4人の認知症老人とサワとのラジカルな‘かけあいドラマ’を展開していきます。
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映画は、3時間16分と長尺で、プロットも認知症老人を抱える家族の崩壊や深刻な社会問題化する認知症高齢者たちの実態を描いていながら、主人公山岸サワという天衣無縫な押しかけ介護ヘルパーの登場で、コメディ・ドラマとしてテンポ良く展開していきます。
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ある日、サワは、介護サービスに派遣された家で寝たきり老人の娘から唐突に「おじいちゃんの冥土のみやげに添い寝して欲しい」と頼まれました。
会社にナイショでとしぶしぶ引き受けたものの認知症で寝たきりであるはずの老人が、深夜突然サワに迫り、驚
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いたサワは、老人を突き飛ばし、その勢いでストーブが転倒、火災事件を起こしてしまいました。
そのことで介護ヘルパーを失業、アパートも失い身寄りのないサワは、見知らぬ街でワケありそうな認知症老人に目星をつけ弱みにつけ込み、つぎつぎと彼らの家に上がり込んで押しかけ介護ヘルパーを始めました。
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「0.5ミリ」は、ユーモアとペーソスが、織りなすシリアスな人間ドラマながらコメディのように可笑しく安藤姉妹の映画センスに敬服‥私が、とやかく述べるより百聞は一見に如かず、必見の価値ある日本映画の秀作(公式サイト こちら)です。
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この映画で女優デヒューした引きこもり少年マコト役(本当は少女)の新人土屋希望(プロファィル不詳)が、映画の中でサワとおもしろい絡みを演じて私の印象に残りました。
by blues_rock | 2015-06-28 00:28 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
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