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ロシアの女優クセニア・ラパポルト(後編)  シネマの世界<第494話>

ロシアの女優クセニア・ラパポルト(後編)  シネマの世界<第494話>_a0212807_19195342.jpgイタリアのトリエステでイレーナは、金細工商を営むアダケル家の家政婦になるために手段を選ばない常軌を逸した行動をとります。
アダケル家の家政婦になると不在の多い両親に代わり一人娘のテアに強い愛情(溺愛と厳しい躾け)を抱くようになります。
ここからイレーナの過去が、フラッシュバック(サブミナル・フラッシュ映像)で少しずつ明らかにされていきます。
映画は、トルナトーレ監督の「人間愛」が、胸に迫る感動的なシーン(必見)で終わります。
もう一つは、サイコミステリー映画「時の重なる女」です。
イタリアの映像クリエーター(ビデオ・クリップ・CMフィルム撮影ディレクター)で、新鋭映画監督ジュゼッペ・カポトンディ(1968~)が、2009年に長編映画を初監督した作品です。ロシアの女優クセニア・ラパポルト(後編)  シネマの世界<第494話>_a0212807_19203922.jpgホテルの清掃員として働くスロバキア移民のソニア(クセニア・ラパポルト)は、人目を惹く美人ながら言い寄る男たちの誘いを避け、会員制お見合いパーティに出かけていました。
そこでソニアは、元刑事で警備員グイド(フィリッポ・ティーミ 1974~)と知り合います。
彼は、郊外の広大な森のある大邸宅(別荘)でセキュリティ警備員をしていました。
ロシアの女優クセニア・ラパポルト(後編)  シネマの世界<第494話>_a0212807_1921353.jpgある日ソニアは、チェックアウトの済んだ客室を掃除するため室内に入るとまだ若い女性が、部屋にいました。
彼女は、ソニアに掃除するよう伝え「あなたは、髪を下しているほうが似合う。」と一言告げるとホテルの窓から投身自殺しました。
この事件からソニアの意識の中に現実と非現実が、混在するようになります。
自分の関わった事件すらも現実か、それとも夢の中の出来事か、区別できなくなり過去と現在が、交錯するようロシアの女優クセニア・ラパポルト(後編)  シネマの世界<第494話>_a0212807_19445649.jpgになりました。
映画には、ミステリーの伏線と云うべきナゾ解きのディテールが、至るところに散りばめられていますのでポイントだけ書きたいと思います。
ちなみに、これは、ナゾ解きのヒントではなく、しっかり覚醒して見ていないとミステリーの筋立てが、きっと分からないだろうと推察するからです。
ソニアが、グイドの招きで彼の警備する大邸宅を訪れたとき、押し入った強盗団にグイドは、銃で撃たれ流れ弾ロシアの女優クセニア・ラパポルト(後編)  シネマの世界<第494話>_a0212807_19455034.jpgが、頭にあたり重傷を負ったソニアの幻覚(記憶障害)と記憶を交錯させナゾめいた展開となるよう脚色したカポトンディ監督の演出は、最後まで緊張感がありました。
ポイントは、「男性にもてるソニアが、なぜ合コンのようなお見合いパーティに行ったのか?」、「ソニアもグイドも行ったことのないブエノスアイレスでの二人の写真」、「ソニアが、大邸宅を訪ねた日、強盗団は、グイドが、大邸宅の森の警備セキュリティを解除することとどうして知っていたのか?」、「強盗団のボスは、大邸宅にあるドガの絵が、ソニアの好きなドガの絵であるとロシアの女優クセニア・ラパポルト(後編)  シネマの世界<第494話>_a0212807_19471755.jpgなぜ知っているのか?」‥などソニアの時間もまた現実と非現実が、重なり合いながら展開していきます。
映画のラスト、すべてに気づいたグイドが、空港ロビーでほんの一瞬ソニアと視線を合わせそして無言で立ち去るシーンは、名作映画「カサブランカ」のリック(ハンフリー・ボガード)に似て、男のダンディズムを感じました。
この映画でソニアを演じたクセニア・ラパポルトは、ヴェネツィア国際映画祭女優賞を受賞しました。
by blues_rock | 2015-05-24 00:04 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
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