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心の時空

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a day in my life

眠れる美女  シネマの世界<第475話>

2012年イタリア映画「眠れる美女」(原題 Bella Addormentata 直訳)は、子供向けディズニー・アニメ映画のようなタイトルながら巨匠マルコ・ベロッキオ監督(1939~)が、2009年イタリアで現実にあった尊厳死(脳死患者の安楽死)事件をもとに「人間の尊厳(生と死)」についてリアリズムに徹した演出によりシリアスに描きました。
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イタリア、ミラノで交通事故に遭った当時21歳の女性エルアーナは、入院先の病院が、施した延命装置により17年間植物状態で生き続けていました。
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エルアーナの両親は、脳死して眠り続ける娘エルアーナの姿を見るに耐えかねて裁判所に延命の停止を訴えて勝訴、この司法判断により、ついにエルアーナの延命装置が、外されるまでの社会現象を描いています。
a0212807_21223874.jpgイタリア議会は、エルアーナ延命続行法案を強行採決しようとする政権与党と野党が、世論を巻きこみ激しく対立、イタリア社会は、エルアーナの尊厳死に対する宗教論争で国内が対立、騒然としていました。
映画は、この騒ぎと並行し‘人間の尊厳と生きる意味’を問う三篇のストーリーが、同時に展開していきます。
a0212807_4302176.jpg妻の延命装置を止め看取った与党議員ウリアーノ(トニ・セルヴィッロ 1959~ 「湖のほとりで」、「イル・ディーヴォ 魔王と呼ばれた男」)と母親の延命装置を止めた父親に反感を持つ娘マリア(アルバ・ロルヴァケル 1979~ 「やがて来たる者へ」)親子の対立、次にエルアーナに重ね合わせ自宅ベッドの延命装置に繋がれ昏睡している娘ローザの眼覚め(回復)を願い、すべて(家族でa0212807_21301897.jpgある夫や息子二人の愛)を捨て信仰(神の奇跡)にすがる元大女優(イザベル・ユペール 1953~ 「愛・アマチュア」、「愛、アムール」)の狂乱、自殺願望もつ人生に絶望した女ロッサ(マヤ・サンサ 1975~ 「最初の人間」、「やがて来たる者へ」)を献身的に救おうとする医師パリッド(ピェール・ジョルジュ・ベロッキオ 1974~ マルコ・ベロッキオ監督の息子)の三つの物語が、交互に描かれて行きます。
a0212807_432157.jpg巨匠マルコ・ベロッキオ監督の演出に併せ、実力ある名優・名女優たちのアドリブと推察される演技は、この映画にドキュメンタリーのようなリアリズム(臨場感と説得力)を与えています。
見応えのあるイタリア映画でした、
by blues_rock | 2015-05-13 00:13 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)