ブログトップ | ログイン

心の時空

yansue.exblog.jp

a day in my life

グランドセントラル  シネマの世界<第480話>

私の好きなフランスの若手女優レア・セドゥー(1985~)と個性的な俳優タハール・ラヒム(1981~)が、共演している2013年のフランス映画なので二人の演技コラボレーションを期待して見ました。
a0212807_210037.jpg
映画のタイトル「グランドセントラル(Grand central)」を‘中央駅’と早合点、フランス映画のエスプリを効かせたシャレたロマンス映画と思いきや、タイトルの‘Grand central(中央駅)’は、 ‘Grande centrale(大型発電所=原子力発電所)’に引っかけたタイトルであることが、映画を見始めて気付きました。
a0212807_2105741.jpgこの映画の監督・脚本、レベッカ・ズロトヴスキ(1980~)は、フランスの若手女性監督で2010年、レア・セドゥを主演に「美しき棘」を撮っています。
ズロトヴスキ監督の「グランドセントラル」は、若い男女のロマンスもながら原子力発電所の保守点検を行なうと必然的に少量ながら被ばくする‘線量(放射能濃度)’というリスクを負いながら原子力発電所施設で働く下請け作業員たちの姿を描いています。
a0212807_2195899.jpg作業員の一人新入りのギャリー(タハール・ラヒム、2009年「預言者」、2013年「ある過去の行方」)と現場監督(作業員)の愛人キャロル(レア・セドゥ 2013年「アデル、ブルーは熱い色」)との人目を避けた恋(密会)をシリアスに描いています。
ベテラン原発下請け作業員の苦悩をリアルに演じるベルギーの俳優オリヴィエ・グルメ(1963~)の演技も光りa0212807_2204764.jpgました。
被ばく線量(放射能濃度)が、上限を超えると即刻解雇なのでウソの報告(実際は上限の30倍)を続けるギャリー、自分も原発の施設内で働き放射能の恐怖と被ばく不安に怯えるキャロル、ズロトヴスキ監督は、脚本を書いているとき東日本大震災による福島の原発事故を知ったそうで劇中にチェリノブイリに加えてフクシマという言葉が、出ていることに対し、私は、原子力に素人ながら‘フクシマとチェリノブイリの原発事故は同じもa0212807_221219.jpgの?’と少し気になりました。
映画の撮影は、稼働している原子力発電所で行なえるはずもなく、ズロトヴスキ監督は、どこで撮影したのだろうとプロダンションデザインを調べてみたら、ウィーン郊外の使われていない原発で撮影したと書かれていました。
さらにリアリティを持たせるため原発での撮影に際しては、保守点検作業の技術アドバイザーとして元原発作業の専門家に参加してもらい演技指導してもらったそうです。
a0212807_2234822.jpg「グランドセントラル」は、カンヌ国際映画祭「ある視点賞」を受賞しました。
映画に原発賛成・反対のメッセージはありませんが、原発で儲ける投資家・資本家、原発の安い電気料金でメリットを享受する大勢の消費者、その陰で被ばくの危険に曝され働く下請け作業員たち、もし安全基準の被ばく線量の上限を超えたら失業するリスクを抱えながら原発で働く人たちの知られざる実態をリアルに描いたシリアスな社会派映画でした。
(付録:私個人の提言として「原子力発電所‥もっと皆なで考えよう」と題し2012年9月1日から5日まで5話シリーズで書きましたのでご参考に貼付いたします。)
by blues_rock | 2015-05-01 01:55 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)