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心の時空

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ベルトルッチの描く‘恋’  シネマの世界<第476話>

イタリア映画の名匠ベルナルド・ベルトルッチ監督(1941~)は、「1900年」(1970)、「暗殺の森」(1976)、「ラストエンペラー」(1987)と歴史を題材にした硬派な歴史映画を撮る一方で、「革命前夜」(1964)、「ラストタンゴ・イン・
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パリ」(1972 当時二十歳のマリア・シュナイダーが魅力的)、「シャンドライの恋」(1998)のような官能的なロマンス映画(女性を主人公にした映画)の秀作を撮っています。
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今夜は、中でもベルトルッチ風味の強い‘純愛’(男の女に対する偏愛)映画を2本ご紹介したいと思います。
まず一つは、1998年公開の映画「シャンドライの恋」(原題 L'assedio 包囲)です。
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映画は、ローマのスペイン階段近くの屋敷を舞台にイギリス人資産家の青年ピアニスト、キンスキー(デヴィッド・シューリス 1963~)と同屋敷の住み込みメイドとして働きながら医学を学ぶ若いアフリカ人女性シャンドライa0212807_1904836.jpg(タンディ・ニュートン 1972~ 眼差しがチャーミング)の切ない恋物語です。
反政府活動家である学校教師の夫とアフリカの過疎地で暮らしていたシャンドライは、突然夫が、政府軍に逮捕され政治犯刑務所に入れられました。
夫が、解放される日を待ちながらローマに行きメイドとして働きながら医学を学んでいました。
シャンドライの働く屋敷の主イギリス人のキンスキーは、社交的ではなく屋敷の自室に引きこもり終日ピアノを弾a0212807_1923559.jpgいていました。
映画は、キンスキーとシャンドライ、二人の肌の色や人生を取り巻く環境、聴く音楽の趣味も異なりながら二人に芽生える恋心を美しい映像と音楽でさわやかに描いています。
キンスキーが、心から愛するシャンドライのために自分の全財産なげうって彼女の夫を刑務所から出獄させ、解放された夫が、キンスキーの屋敷に妻シャンドライを迎えに来るシーンは、見る者の心を切なくさせる映画です。
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「革命前夜」は、「シャンドライの恋」から34年遡る1964年公開のモノクロ映画です。
監督・脚本・原案(スタンダールの「パルムの僧院」に発想を得た半自伝的なもの)のベルトルッチ監督は、「革命前
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夜」をブルジョワの身分でコミュニストを公言する22才の青年ファブリツィオ(フランチェスコ・バリッリ 1943~)が、自分の居場所(矛盾するアイデンティティーの収斂)を求め苦悩しつつ同時に、倦怠感で神経症を患う若いa0212807_19101289.jpg叔母ジーナ(アドリアーナ・アスティ 1933~)との恋愛関係に葛藤する人間ドラマにしました。
撮影監督アルド・スカバルダ(1923~)のモノクロ映像、音楽監督エンニオ・モリコーネ(1928~)のサウンドトラックともに素晴らしく、ベルトルッチ監督の「革命前夜」は、カンヌ国際映画祭で新進批評家賞を受賞しました。
a0212807_191042100.jpgファブリツィオと叔母ジーナとの情事を撮った官能的な映像は、正しくベルトリッチの世界、ジーナ役のアドリアーナ・アスティが、実に美しく妖艶です。
by blues_rock | 2015-04-21 00:02 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)