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心の時空

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ファーナス 訣別の朝  シネマの世界<第450話>

2014年公開のスコット・クーパー監督・脚本作品「ファーナス 訣別の朝」は、キャスト(配役)が、とにかく豪華でそれぞれの役柄もキャステングされた俳優の持ち味にフィット‥映画は、最後まで重く暗いシリアスなヒューマ
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ン・ドラマでありながらクーパー監督(「クレイジー・ハート」監督・脚本)の‘家族の情愛’を強調した演出と撮影監督マサノブ・タカヤナギ(アメリカで活躍する日本人撮影監督 高柳雅暢、「世界にひとつのプレイブック」撮影)a0212807_21132065.jpgが、撮ったトーンを落とした映像は、‘アンチ’アメリカン・ドリームそのままに、その日暮らしに苦悩する人びと(アメリカ鉄鋼業界の労働者と失業者たち)の悲痛な叫びをリアルに描き、現代アメリカ社会の暗部を見事にとらえたなかなかの秀作映画です。
製作(プロデュース)にリドリー・スコット監督、レオナルド・ディカプリオの名前もクレジットされていました。
主たる登場人物は、製鉄所で働く実直な青年ラッセルにクリスチャン・ベール(主演)、イラク戦争で心的外傷を受けストレス障害に苦しみながら自虐的に生きる弟ロドニーをケイシー・アフレック(1975~ ベン・アフレックの弟)、ラッセルの叔父をサム・シェパード(1943~)、ラッセルの恋人リナにゾーイ・サルダナ(1976~)、弟のロドニーが、憧れるヤミ賭博の元締めペティにウィレム・
a0212807_23571192.jpgデフォー(1955~)、ペティと繋がる麻薬密売人でヤミ拳闘賭博の胴元デグロートをウディ・ハレルソン(1961~)、ラッセルと別れた恋人リナのパートナーバーンズ保安官にフォレスト・ウィテカー(1961~)とそうそうたる顔ぶれが、出演しています。
アメリカ、ペンシルベニア州の田舎町ブラドックは、その昔鉄鋼の町として知られていました。
a0212807_081576.jpg主人公のラッセル(クリスチャン・ベール)は、溶鉱炉の立ち並ぶこの街で生まれ育ち、年老い寝たきりの父を介護しながら製鉄所で働いていました。
失業中の弟ロドニー(ケイシー・アフレック)は、出兵したイラク戦争の悲惨な戦闘で心的外傷を受け、ストレス障害に苦しんでいました。
a0212807_084989.jpgラッセルは、借金を重ねながら賭博に浸りアルコールに依存する弟の面倒も見ていました。
ラッセル唯一つの幸せは、愛する恋人レナ(ゾーイ・サルダナ)と和やかに過ごすひと時でした。
ある夜のこと、ラッセルが、バーで酒を飲んで車で帰る途中、突然道路ワキから出て来た車と衝突、酷い人身事故を起こし彼の人生が、暗転しました。
ラッセルは、刑務所に送られ数年服役、街に戻った時には、すでに老父は亡くなり、恋人のレナは、バーンズ保安官(フォレスト・ウィテカー)と暮らし妊娠していました。
ロドニーは、自虐的な自傷行為を繰り返し、ペティ(ウィレム・デフォー)が止めるのも聞かず、ヤミ賭博の胴元デグロート(ウディ・ハレルソン)の開帳する素手で殴り合う八百長拳闘試合に出場していました。
ラッセルは、弟の荒んだ心と傷だらけの姿を見て自分と一緒に製鉄所で働くよう諭しました。
a0212807_0132881.jpgロドニーは、ラッセルを振り切り、多額の借金を返済するためにペティと最後の八百長拳闘試合に出かけ、借金返済を終え帰る途中二人とも殺されてしまいました。
帰らない弟ロドニーを心配したラッセルは、猟銃を片手にデグロートのもとに向かいました。
クリスチャン・ベールは、役柄の心の襞(ひだ)や抑制した感情の起伏など難しい心理描写を演じるのが、本当a0212807_0143025.jpgに上手い俳優です。
企画段階では、監督リドリー・スコットとラッセル役をレオナルド・ディカプリオの予定でしたが、クリスチャン・ベールのラッセルで正解だったと思います。
映画の冒頭とエンドのクレジット・ロールにグランジ・ロックのパール・ジャム(1991~)の歌をさらりと流したのもクールでした。
by blues_rock | 2015-02-14 00:04 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)