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心の時空

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ブロンクス物語/愛につつまれた街  シネマの世界<第432話>

12月31日大晦日、今年2014年最後のシネマの世界です。
今年は、241本の映画(うち外国映画217本・日本映画24本)を見ました。
a0212807_3483265.png今日ご紹介するのは、アメリカの名優ロバート・デ・ニーロが主演し、初監督・製作した1993年映画「ブロンクス物語/愛につつまれた街」(A Bronx Tale)です。
原作は、この映画でブロンクスを縄張りにしているマフィアのボスを演じているチャズ・パルミンテリ(1952~「狼たちの街出演」)が、書いた一人芝居の脚本でした。
チャズ・パルミンテリの一人芝居(1人18役の舞台)に惚れ込んだロバート・デ・ニーロは、チャズに戯曲の映画化を提案、その映画の脚本と出演を依頼しました。
同時に初めて自らメガホンを取ること(監督デビューすること)、さらに製作ならびに主演も自分が担当することを伝えました。
映画のプロダクション・デザインもすばらしく1960年代ブロンクスの時代考証~街の風景や街を往く人たちの風俗、劇中の音楽に至るまでディテールにこだわっています。
主人公の一人カロジェロ少年の父ロレンツォ(ロバート・デ・ニーロ)は、貧しい生活ながらも堅気のバス運転手
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として仕事にプライドをもち、いつも毅然としてブロンクスを仕切るマフィアのボス、ソニー(チャズ・パルミンテリ)にも接していました。
ロレンツォの心配事は、幼い息子のカロジェロが、ギャングに憧れボスのソニーを慕い、バーに屯(たむろ)する
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人相の悪いギャングたちのところへ出入りすることでした。
ソニーもカロジェロ少年を息子のように可愛がり、サイコロ賭博の手伝いをさせ小遣いを与えていました。
息子を愛する父ロレンツォは、ギャングの屯するバーに近づくことをカロジェロに禁じ、ボスのソニーにも「この子a0212807_353579.pngは、オレの息子だ、息子に近づくな。」と詰め寄りました。
映画は、カロジェロ(青年期をリロ・ブランカート・JR 1976~)と父ロレンツォそしてマフィアのボス、ソニーの三人を軸に展開します。
映画の中に暴力や乱闘シーンもありますが、デ・ニーロ監督の主眼は、愛の物語にあり映画の中で三者三様それぞれのエピソードを上手く配置、メリハリのあるストーリー構成にしています。
a0212807_3554272.png成長したカロジェロは、黒人の少女に一目惚れの恋をして、ブロンクスの人種差別という現実に直面、人種の壁を乗り越える難しさをやさしく諭す父ロレンツォ、恋するカロジェロに「一生のうち出会う女は3人だけだ」とアドバイスし彼のデートに自分の高級車を提供するソニー、二人それぞれの愛情が、ジワリ伝わる好いシーンです。
黒人の少女ジェーン役のタラル・ヒックス(1974~)も清楚でチャーミング、出番は、少ないのですが、デ・ニーロa0212807_358373.jpg監督の友人、怪優ジョー・ペシ(1943~)の存在感やブロンスクのバーに屯するギャング役の俳優たちも本物と見紛うくらいの風貌です。
この映画で最も重要な役割を演じるのは、ギャング(マフィア)のボス、ソニーを演じたチャズ・パルミンテリで、まわりの誰一人信用しない孤独な男の姿と自分を慕うカロジェロに「オレのまねをするな。これは、オレの人生だ。お前は、お前の人生を生きろ。」と厳しく諭す父親のような姿を味わい深く演じています。
a0212807_3591394.jpg主演のロバート・デ・ニーロは、押さえた演技でソニー役のチャズ・パルミンテリ、カロジェロ役のリロ・ブランカート・JRのワキに回り、実直に暮らす普通の人を地味に演じています。
映画に、流れるビートルズの‘カム・トゥゲザー’(1969年アルバム「アビイ・ロード」に収録)が、情景にマッチしてグッと来ました。  (上写真:カロジェロ役のリロ・ブランカート・JR に演技指導するロバート・デ・ニーロ監督)
by blues_rock | 2014-12-31 04:04 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)