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心の時空

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a day in my life

ベンガラ色漆継ぎ‥銘「粗相」

私の友人が、意気消沈した声で、お気に入りの玄洋窯‘伊羅保ぐい呑み’を取り落としたので金継ぎして欲しいと電話してきました。
私が、破損の状態を問うと「粉々に割れた。」と一言、「それじゃ、また買えば‥」と続けると友人は「これ(伊羅保ぐい飲み)が、好きだから何とかして欲しい。」の一点張りです。
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「分かったから欠片を全部集め、そのまま持って来くること。とりあえず見てみるから‥、だけど、金継ぎに使う純金は、1㌘9,300円と材料費が高いよ。」と伝え電話を切りました。
翌日、ビニール袋に入った陶片を渡され、取り出して見るとバラバラに割れていました。
私は、修理する手間ひまを想像して「やっぱり、止めよう。玄洋窯で同じものを買ってあげるよ。」となだめてもa0212807_020122.jpg「これが好い。何とかして欲しい。」と粘るので、私もついに根負け、ベンガラ漆継ぎで無償修理することにしました。
それから3か月‥ゆっくり磨ぎ繕いながら先日やっとベンガラ漆継ぎ‘伊羅保ぐい呑み’銘「粗相」が、完成しました。
ベンガラ漆継ぎの工程を簡単にご紹介します。
1.陶片をジグゾーパズルのピースのように繋ぎ合わせ幅1~2㌢のゴム紐で縛ります。
2.割れた部分に生正味漆を丁寧に塗り(流し込み)ます。
3.一週間くらい湿気のある箱に入れ乾燥(一週間が目安)、陶片にすき間(凹箇所)があればサビ漆できれいに補修します。
a0212807_0225451.jpg4.サビ漆をしっかり乾燥させ補修部分を磨き(水砥ぎ)、呂漆を塗り、乾燥という工程を数回繰り返します。
5.途中、水漏れチェックを行ない水が、染み出すようであれば工程に数度30分くらいシリコン液を器の中に入れ水漏れを防ぎます。
6.指先で触って補修部分に凸凹がなくなれば、最後にヘンガラ漆を丁寧に塗り、一週間湿気のある箱の中で乾燥させると完成です。
7.金継ぎは、時間と根気(集中力)があり、漆を苦手にしなければ、どなたにも楽しめる日本の伝統工芸です。
by blues_rock | 2014-12-17 00:07 | 金継ぎ/古美術/漆芸 | Comments(0)