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心の時空

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セッションズ  シネマの世界<第424話>

a0212807_2010506.jpgこの「セッションズ」も良い映画だった‥とふと思い出す秀作映画です。
幼児期に患ったポリオ(小児マヒ)により首から下が、全身マヒで寝たきりの詩人マーク・オブライエン(1950~1999)の実話をもとに、ベン・リューイン(1946~)が、監督・脚本・製作した2013年公開映画です。
映画「セッションズ」は、‘セックスと愛’の本質を見る者に考えさせ‥ 「あなた、大丈夫?」 と問い返しているようで「私は、大人だ」と過信している人向けの恋愛映画です。
鈍感なのか、無粋なのか‥はたまた知的センスが、皆無なのか、日本映倫の「R18(ポルノ扱い)」指定には、映倫に座す方々の見識と知性を疑いました。
そんな時、映画サイトのコメントで「“性の喜びの瞬間”をあれほど見事に描いた映画はない。」という文章を見て
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感激、私もまったく同感でした。
主人公のマーク・オブライエンは、普段人工呼吸器‘鉄の肺’がないと生活できず、外出する時も介護ヘルパーa0212807_20151320.jpgの介助を受けストレッチャーに寝たまま呼吸器を付けてせいぜい4~5時間が限度でした。
マークは、ハンディキャップをネタにするほどユーモアにあふれ、ジョークで回りの人たちをよく笑わせるので、誰からも(もちろん若い女性からも)好かれていました。
マーク・オブライエン役を熱演するジョン・ホークス(1959~)が、すばらしく、セックス・セラピストから指名されて彼に ‘性交のセッション’ を行なうのは、セックス・サロケート(セックス代理人)の主婦シェリル(ヘレン・ハント 1963~ 1997年「恋愛小a0212807_19594830.jpg説家」でアカデミー主演女優賞受賞)でした。
シェリル役のヘレン・ハントが、マークのいる部屋を「ハァイ!」と微笑みながら訪ね「準備できた?」と声をかけ、さらりと下着を脱ぎ、全裸(当時49才ながら締りのある体がきれい)になって「さあ、これからセッションよ」とマークの横にスウーッと入るシークエンス(シーンの流れ)は、女性のベテラン看護師が、患者の体温や血圧を測っているようで自然なリアルさです。
a0212807_202665.jpgリューイン監督の巧みな演出は、呼吸もままならない全身マヒ障害の男性が、性行為に挑戦するという大変な状況を笑い飛ばし、映画にジメジメとした湿っぽい雰囲気は、微塵もなく終始笑えるシーンの連続でした。
ストーリーは、ある日出版社から詩人でジャーナリストのマークに障害者のセックスについて原稿依頼が、来たことからでした。
a0212807_2024184.jpg全身マヒの障害者である彼は、38才の今までセックスの経験がなく、併せてクリスチャンなので仕事を受けることを迷いました。
未婚男性の婚外性交渉を教会が、認めていないのでマークは、ブレンダン神父(ウィリアム・H・メイシー 1950~)にセックス・サロゲートによる初体験について相談しました。
a0212807_2032920.jpgウィリアム・H・メイシーの演じる神父が、なかなか清濁併せ飲む粋な神父でマークに「神も許してくれると思うよ」と答え、彼のセッション(童貞喪失)を応援します。
さっそくマークは、セラピストに連絡しセックス・サロゲートとのセッションに挑戦しました。
未経験なことへの不安と恐怖、未知なるものへの好奇心‥6回のセッション契約を結び、首から下の動かない
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マークのセックスへのトライが、こうして始まりました。
全身マヒの障害をもつマークが、女性を恐れず心身ともに深い性的関係を築けるよう導くセックス・サロゲートa0212807_2045044.jpg(セックス代理人)として現れたのは、成熟した女性のシェリル(ヘレン・ハント)でした。
彼を介助するヘルパーの中国系アメリカ人ヴェラ(ムーン・ブラッドグッド 1975~)、ヴェラの後任アマンダ(アニカ・マークス)などマークのユーモアセンスとジョークを言って笑わせる彼に好意をもち日常生活を支える女性たちも魅力的でした。
映画には、登場しませんが、マークを障害者施設に入れず自立できるよう育てた両親の大きな愛情も感じられa0212807_20125442.jpgる映画でした。
全身不随のため車イスに横たわったまま必死に生きようとする主人公を描いたフランス映画「潜水服は蝶の夢を見る」(こちら)も秀作映画なのでお薦めいたします。
by blues_rock | 2014-12-07 00:07 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)