ブログトップ | ログイン

心の時空

yansue.exblog.jp

a day in my life

トゥ・ザ・ワンダー  シネマの世界<第420話>

鬼才テレンス・マリック監督(1943~ 「シン・レッド・ライン」・「ツリー・オブ・ライフ」)の2013年新作「トゥ・ザ・ワンダー」もマリック監督の精神世界(哲学)を映像化した作品でした。
a0212807_2345022.jpg映画のプロットは、人間の原罪、隣人愛の不毛、男女の愛のエゴイズムなどを主題に聖書から着想(イメージ)したと思われる美しい映像シーンの数々は、哲学者テレンス・マリック監督の面目躍如といったところでしょう。
「トゥ・ザ・ワンダー」のストーリーにあまり意味はなく、映画を見る者は、先入観をもたず、また難解に考えずに楽しめるかどうか‥その評価が、分かれるポイントかも知れません。
男であれ女であれ、人が人を愛することに理由はなく、また反対に嫌いになることも不思議なことではありません。
映画は、冒頭フランスのサンモンミッシェル島を背景にアメリカ人男性のニール(ベン・アフレック1972~)とフランス人女性のマリーナ(オルガ・キュリレンコ 1979~ウクライナ出身の女a0212807_2361393.jpg優)が、至福の愛に満たされ幸福の絶頂にいるところから始まります。
シングルマザーであるマリーナの娘もニールによく懐(なつ)き傍目には、実の親子のようでした。
ニールは、この母娘をアメリカ、オクラホマ州の故郷に連れて帰りました。
故郷の教会でクインターナ神父(ハビエル・バルデム 1969~)の立ち合いによりニールとマリーナは、結婚しました。
それもつかの間のこと、ニールとマリーナお互いの心にズレが、生まれ次第に険悪になり、マリーナの娘は、a0212807_2381439.png「父親でもないのに、いちいちうるさく言わないで」とニールに反発、自分たち母娘を捨てたタヒチ(だったと思う)の実父のもとに旅立ちました。
同じころニールは、幼なじみのジェーン(レイチェル・マクアダムス1978~「きみに読む物語」こちら)と再会、親密になりました。
ジェーンは、ニールを深く愛するようになるものの、ニールは、マリーナとの関係を断てず悩んでいました。
マリック監督の精神世界を描く作品は、この撮影監督以外では撮れないであろう無二の盟友エマニュエル・ルベツキ撮影監督(1964~ 「ゼロ・グラビティ」でアカデミー賞撮影賞受賞)の映像が、男性一人と女性二人の愛の移a0212807_231820100.jpgろう姿をすっぽり包みこみ、この映像が、実に美しく見惚れてしまいます。
スペインの名優ハビエル・バルデム演じる神を疑う神父クインターナは、神の不在に悩みながら「すべての人間は、神に背いている。主は言う、隣人を愛すべきだ。」と二人の女性への愛で悩むニールに言います。
さらに神父は、「君は、自分自身と闘うべきだ。」とニールに告げました。
a0212807_23185742.jpgクインターナ神父は、「主よ私とともに。主よ私の前に。主よ私の後ろに…」と祈り続けます。
マリック監督は、鳥が飛び立ち、教会の鐘が鳴り、庭に差し込む朝の日差しなど「私たちの何気ない日常に神は、存在する」と「トゥ・ザ・ワンダー」で伝えていました。
a0212807_23194468.jpgニールとマリーナ、ニールとジェーン、それぞれの愛の行方は? クインターナ神父の信仰は?‥マリック監督の演出は、俳優たちに脚本を与えず自由に演技させ、それをルベツキ撮影監督が、ライティングしない自然光で撮影、このコラボレーションが、不思議な世界(トゥ・ザ・ワンダー)をスクリーンに映し出しました。
a0212807_23201013.jpgサウンドトラックは、控え目に流れ、クラシック音楽作曲家のラフマニノフ、ベルリオーズ、ワーグナー、チャイコフスキー、ショスタコーヴィッチ、バッハの作品が、使われていました。
ウクライナ出身の美人女優オルガ・キュリレンコのファンには、ルベツキ撮影監督が、撮った彼女の美しいヌード映像も必見です。
by blues_rock | 2014-11-28 00:08 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)