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心の時空

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U-ターン    シネマの世界<第417話>

オリヴァー・ストーン監督(1946~)の1997年映画「U-ターン」は、ストーン監督作品とは思えないスリラーとサスペンスが混在するアナーキーな不条理劇です。
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映像(カット)の切換えが、スピーディで時おり‘コマ落とし’のシーンを挿入したり、モノクロ・シーンをコラージュしたり、さらに劇画(マンガ)のような血しぶき飛び散る銃撃シーンや暴力シーンたるやクエンティン・タランティーノ監a0212807_20553814.jpg督の映画を見ているようでした。
それもそのはず、「U-ターン」の撮影監督ロバート・リチャードソン(1955~)は、タランティーノ監督の代表的な映画の撮影監督なのでストーン監督が、「U-ターン」の銃撃シーン、暴力シーンの撮影にリチャードソン撮影監督の映像感覚を取り入れたのでしょう。
映画に登場する人物の顔をスクリーンいっぱいに大きくズームした表情で人物の個性を際立たせ、さらにその人物の目や口だけスクリーンに大きく映す演出は、オリヴァー・ストーン監督とリチャードソン撮影監督二人のコラボレーション効果と思われ、映像のキレが良く、活き活きとしていました。
a0212807_20561456.jpg音楽監督は、エンニオ・モリコーネ(1928~)、控え目ながらジャズっぽいシャレた音楽でした。
「U-ターン」のプロットやストーリーに然したる意味はなく、映画は、最後までスリラーのようなサスペンスのような、はたまたコメディのような不条理劇が二転三転‥つぎつぎに変奏しながら予想もしない展開を見せて行きます。
ボビー(ショーン・ペン 1960~)は、マフィアからの借金を返済しようとラスベガスへ車で向かう途中、砂漠のハイa0212807_2058595.jpgウェイでエンジン故障、仕方なく最寄りの寂れた町に向かいました。
修理工場の奇怪な変人ダレル(ビリー・ボブ・ソーントン 1955~)に車を預け町に向かうとボビーは、セクシーな女グレース(ジェニファー・ロペス 1969~ 男たちを手玉にとる性悪女グレースを好演、個人的にジェニファー・ロペスの最高演技と思います)と出遭い、彼女を口説き彼女の家に行き抱き合っていると夫ジェイク(ニック・ノルティ 1941~)が、突然帰宅しいきなり殴られa0212807_2102564.jpgました。
あわてて帰るとジェイクが、後から追いかけ車に乗せ「浮気女のグレースを殺してくれたら金をやる。」とボビーに持ちかけました。
相手にせず修理工場に向かう途中、飲み物を買おうと立ち寄った雑貨店で強盗の発砲事件に巻き込まれマフィアへの借金返済金を全部パアにしてしまいました。
a0212807_21143245.jpg意気消沈したボビーが、町を歩いていると盲目の自称傷痍軍人(ジョン・ヴォイト 1938~)に絡まれ、ポッター保安官(パワーズ・ブース 1948~)にも付きまとわれ、好奇心で近寄る娘ジェニー(クレア・キャサリン・デインズ 1979~)と話していると嫉妬深いジェニーの恋人ダニー(ホアキン・フェニックス1974~ 1986年映画「スタンド・バイ・ミー」のリヴァー・フェニックスは兄)からいきなり殴りかかられました。
マフィアに電話して借金返済の遅延を頼みましたが、ふと漏らした町の名前でボビーは、自分の居場所をマフィアに知られてしまい、万策尽き、途方に暮れるボビーは、ジェイクが自分に言った「妻が、事故死したら5万㌦の保険金が入る、報酬を払う。」という依頼を思い出しました。
ボビーが、何気ない顔でグレースに会うと今度はグレースから「夫は、ベッドがある床下の金庫に10万㌦を隠している。夫を殺して一緒に逃げよう。」と思わせぶりに夫のジェイク殺しa0212807_21152252.jpgを持ちかけました。
ここからストーリーは、さらに変転‥映画最後の落ちは、なかなかシュールな結末です。
オリヴァー・ストーン監督は、スリラーとサスペンス混合のアナーキーな不条理劇作品で社会派映画監督の固定観念を払拭したかったのかもしれません。
by blues_rock | 2014-11-21 01:02 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)