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心の時空

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シン・レッド・ライン  シネマの世界<第414話>

アメリカ映画の鬼才テレンス・マリック監督は、1978年「天国の日々」(カンヌ国際映画祭グランプリ受賞、アカデミー賞撮影賞)を発表したあと、プツリと映画ファンの前から姿を消しました。
それから20年の歳月を経て1998年に「シン・レッド・ライン」を撮り監督復帰しました。
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テレンス・マリック監督については、「ツリー・オブ・ライフ」(こちら)でも書きました が、非常に寡作な監督であると同時にハーバード大学で哲学を学んだことも影響するのか「ツリー・オブ・ライフ」のように哲学的なプロットをもつ映画もあります。
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この「シン・レッド・ライン」でもマリック監督は、1942年太平洋戦争の激戦地、ガダルカナル島上陸作戦での日本軍との過酷な戦いをリアリズムに徹した映像(「ローン・サバイバー」こちら)で撮りながらも、熾烈な戦闘シーンより上官の命令一つで生死が、決まる不条理な前線に駆り出されたアメリカ軍兵士一人ひとりの内面(心理状
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態)を一歩引いた視点で戦場の群像劇として丁寧に捉えています。
ガダルカナル島上陸後、兵士たちにまず命じられたのは、日本軍のいる高台を陥落させることでした。
高台を目指す兵士たちは、激しい機銃掃射を受け自軍の兵士を次々に失い撤退を余儀なくされますが、後方か
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ら無線で届く上官の命令は、正面突撃でした。
映画であることをつい忘れ、ガダルカナル島激戦のドキュメンタリーを見ているような錯覚を覚え、次々に撃たれて死んでいく兵士たちの惨(むご)たらしい情景に目を被いたくなります。
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撮影監督は、「あの頃ペニー・レインと」、「ゴーン・ベイビー・ゴーン」などを撮ったジョン・トール(1952~ アカデミー賞撮影賞2度受賞)が、務めています。
「シン・レッド・ライン」は、1998年ベルリン国際映画祭で金熊賞(グランブリ)を受賞しています。
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主演は、厭戦から脱走した二等兵役のジム・カヴィーゼル(1968~)、その上官曹長役をショーン・ペン(1960~)、伍長役エイドリアン・ブロディ(1973~)、大尉役ジョン・キューザック(1966~)、勇猛果敢で勇ましい中佐役をニック・ノルティ(1941~)、司令官に寄りそう准将役をジョン・トラボルタ(1954~)、正面突撃による犬死から部a0212807_0473912.jpg下を守るため命令に背き解任された大尉の後任大尉役をジョージ・クルーニー(1961~)、少尉役ジャレッド・レト(1971~)ほか、日本軍兵士役で光石研(1961~)が、出演していました。
哲学者テレンス・マリック監督が、戦争映画を撮ると冷徹な視点で戦争の不条理を見据え、すべての戦争の残酷さ、軍隊組織と階級の理不尽さなど前線にいる一兵卒(一人の人間)の目で捉えることになるのかもしれません。
撮影監督ジョン・トール(1952~ アカデミー賞撮影賞2度受賞)の美しい映像も印象に残りました。
by blues_rock | 2014-11-14 00:14 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)