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心の時空

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誰よりも狙われた男(前編)  シネマの世界<第407話>

今年2月急逝した稀代の名優フィリップ・シーモア・ホフマン(1967~2014 薬物事故死、享年46才 こちら)、最期の作品(遺作)となったアメリカ・イギリス・ドイツ合作映画「誰よりも狙われた男」が、現在公開中です。
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「誰よりも狙われた男」は、スパイサスペンス映画なのに‘スパイ映画’に付きものの銃撃戦、殺人事件、残虐な拷問、暴力行為が、まったくなく、フィリップ・シーモア・ホフマン演じるドイツ諜報機関のテロ対策責任者ギュン
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ター・バッハマンに密着するように撮影カメラは、彼を終始追いかけます。
オランダ出身の写真家アントン・コービン監督(下写真:1955~ 2011年監督作品「ラスト・ターゲット」)は、スパイ小a0212807_0345813.jpg説家ジョン・ル・カレ(1931~ 「裏切りのサーカス」 こちらの原作者 これもスパイサスペンス映画の秀作です)の原作「誰よりも狙われた男」をもとに、ジョン・ル・カレ作品特有の、じわり、じわりと迫る緊迫感を最後まで途絶えさせず、映画ラストでのどんでん返し、‘そりゃないだろ!’と叫びたくなる一級のスパイサスペンス映画に仕上げました。
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映画を見るとき私は、「脚本(原作)・監督・俳優」この三つを判断材料にしていますが、「誰よりも狙われた男」は、この判断フィルターをスーッと通る見事な出来栄えで、やはりフィリップ・シーモア・ホフマンの名演技が、見
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どころです。
俳優としてこれから円熟期に入る四十代半ばでのフィリップ・シーモア・ホフマンの逝去は、本当に残念で惜しまa0212807_055214.jpgれてなりません。
映画のプロットは、ドイツ・アメリカ・ロシアなど各国の諜報機関が、敵の敵は、味方とばかり情報戦で互いに腹の中を探り、ダマシ合い、裏切りながら互いに裏の裏を搔いていく様を暴いています。
その中で、つねにスパイ活動は、裏方に徹し極秘の情報ネットワークを何よりも大切にする(情報源を裏切らないので誰よりも狙われた)旧いタイプのドイツ諜報員ギュンター・バッハマンのリアルな存在感にあります。
a0212807_0554172.jpg報われることのない諜報員の苦悩(ストレス)、スパイ活動の沈鬱な現実、疑心暗鬼のスパイ工作現場は、きっとこんなだろうなと主人公ギュンター・バッハマンに心底同情するくらいフィリップ・シーモア・ホフマンの演技は、すばらしいものでした。
原作者のジョン・ル・カレ自身が、製作総指揮を行ない、元イギリスMI6(エムアイシックス)諜報員であったル・カレは、ドイツでもスパイ活a0212807_058179.jpg動していましたので映画の舞台であるハンブルクでの活動体験が、映画の細部で生かされているように思います。
この映画の面白さとじわりじわり漂ってくる緊迫感は、映画を見た人でないと理解できませんが、これから見る方のためにストーリーの概要を述べたいと思います。(後編に続く 公式サイトはこちら
by blues_rock | 2014-10-24 00:04 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)