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心の時空

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ローン・サバイバー  シネマの世界<第405話>

私は、「ローン・サバイバー」(Lone Survivor 一人だけの生還)の監督ピーター・バーグ((脚本・製作同じ 1962~)を知らず、彼の作品を見たこともありませんでした。
a0212807_8375247.jpg予告編(トレイラー)で見た映画のプロットも‘アメリカのテロ対策特殊部隊とタリバンとの戦闘もの’程度くらいを想像し、この手の映画に飽きていたこともあり、当初さほど興味ありませんでしたが、マーク・ウォールバーグ(1971~)主演の最新作(2014年公開)でしたので見ることにしました。
「ローン・サバイバー」を見てバーグ監督の演出に感心‥これほど迫撃戦にリアリズムを求め、過酷かつ凄惨な戦闘シーンをリアルに描いた映画は、1998年のスピルバーグ監督作品「プライベート・ライアン」とテレンス・マリック監督作品「シン・レッド・ライン」(こちら)以来でした。
映画の舞台は、アフガニスタンの険しい断崖に切り立った岩肌が並ぶ山岳地帯で、イスラム原理主義者のテロ
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リスト・リーダー暗殺のミッションに失敗した海軍特殊部隊ネイビー・シールズ隊員4人をタリバン兵2百数十名が追跡、救援部隊との連絡も途絶えた極限の中で必死に逃げる4人の姿をバーグ監督は、執拗に追いかけます。
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バーグ監督は、戦闘シーンの要となる迫撃戦のディテールに徹底的にこだわり、従軍カメラマンが捉えたドキュメンタリーのような迫力あるリアルな映像で見せてくれます。
a0212807_9432978.jpgこの「ローン・サバイバー」には、戦争映画にありがちな敵の部隊を蹴散らすド派手な爆撃シーンや銃弾の中を勇猛果敢に走りまわる不死身のヒーローの姿はなく、映画が見せるのは、仲間と崖を転がり落ちていく凄惨で過酷な戦闘シーンばかりです。
ミッションに失敗した4人のネイビー・シールズ隊員が、多数のタリバン兵に追われ、激しい銃撃を受けながら逃げ崖を転落、岩肌にa0212807_9464641.jpg血だらけになった身を隠し、一人そしてまた一人と戦死‥最後に一人マーク・ウォールバーグ演じる瀕死のマーカス・ラトレル一等兵曹だけが、間一髪で救援部隊に救出され命をとりとめました。
「ローン・サバイバー」は、実在のマーカス・ラトレル氏の手記をもとにアメリカ海軍ネイビー・シールズ史上最大の悲劇と言われるレッド・ウィング作戦(2005)を映画化したものです。
a0212807_9474796.jpg厳しい特殊訓練を受けた精鋭4人が、なぜ綿密な作戦計画のミッションに失敗し敵地のド真ん中で‘最悪の事態’に遭遇する結果になったのか‥ここも映画の重要な見どころです。
映画の冒頭、4人の隊員が、アフガニスタン山中深く侵入し、ミッションを開始したとき、村人の山羊(ヤギ)飼い老人と少年二人に遭遇、4人の隊員は、3人を拘束し殺すか、逃がすか、迷いa0212807_9484138.jpgますが、結局3人を解放します。
解放された年長の少年が、切り立った岩肌を途轍(とてつ)もないスピートで駆け降りていく長回しのシーンと年少の少年が、タリバン兵に追われている瀕死のマーカス一等兵曹を匿(かくま)い救うシーン、少年2人の相反する行為に「ローン・サバイバー」が、単なる愛国心掲揚の戦争映画ではなく‘戦闘の残酷で悲惨な現実’をリアルに伝えa0212807_9523259.jpgる映画にするとの強いこだわりを感じました。
この「ローン・サバイバー」の緊迫した戦闘シーンの臨場感は、アメリカの映画批評家から高く評価されました。
共演者も演技派ぞろいで、テイラー・キッチュ(1981~ 2012年「野蛮なやつら/SAVAGESこちら」)、エミール・ハーシュ(1985~ 2014年「ランナウェイ・ブルースこちら」)、エリック・バナ(1968~ 2005年「ミュンヘンこちら」)と錚々たる名優たちが、出演していました。 (上写真:ピーター・バーグ監督と主演のマーク・ウォールバーグ)
by blues_rock | 2014-10-20 00:02 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)