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心の時空

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ツリー・オブ・ライフ  シネマの世界<第402話>

アメリカ映画の巨匠テレンス・マリック監督(1943~ 私の印象に残るのは2006年映画「アメイジング・グレイス」)は、非常に寡作な映画監督です。
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マリック監督40年の監督生活で撮った映画は、わずか6作品、その5作目が、2011年映画「ツリー・オブ・ライフ」(監督・脚本)で、カンヌ国際映画祭最高賞の‘パルム・ドール’を受賞しました。
a0212807_20102915.jpg映画のプロットは、1950年代のアメリカ、テキサスの田舎町で育った中年実業家ジャック(ショーン・ペン 1960~)の回想として家族への情愛と悔恨、神の存在(信仰と無宗教)を語りながら、マリック監督は、CG映像技術(SFX・VFX)を駆使して多種多様な美しい映像のカット割とシークエンスで‘人生の意味’問う映像詩にしました。
実業家として成功したジャックは、資本主義の喧噪に囲まれた大都会の高層ビルで忙しく働いているものの空虚な日々に自分の過去、40年前の1950年代、自然豊かな故郷テキサスの田舎町で暮らした少年時代を追想し悔恨の念に苦しんでいました。
厳格な父親(ブラッド・ピット 1963~)は、無神論者で仕事一筋、息子たち3人(長男がジャック)に自分の力だけでこの世を生き抜くこと教え、教育熱心で躾(シツケ)に厳しく、子供たちに絶対服従を強いていました。
a0212807_20111226.jpg一方、信仰心厚く敬虔なクリスチャンの母親(ジェシカ・チャステイン 1977~)は、慈悲深く愛情いっぱいに子供たち3人を育てました。
父親の厳格な躾に反発し父親を嫌悪した長男ジャックですが、やさしい母親の信仰心も受け入れず、父親の教えに従い実業家として成功し裕福な暮らしをしていましたが、孤独で空虚な毎日でした。
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私は、「ツリー・オブ・ライフ(命の木)」に登場する聖書(創世記・ヨブ記など)について説明できませんが、映画冒頭のシークエンス‥創世記の宇宙誕生から生命の誕生、生物の進化と恐竜の出現から始まり、数十億年の時
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間軸の中で‘惜しみなく奪う神’の存在(‥神は、沈黙を破りジャックの家族に次男の死という試練を与えますが理由やその説明はない)と続き、とにかく長男ジャックによる時空を無視した回想は、現在と過去、生と死、愛と
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憎が、目まぐるしく入れ替わり展開していきます。
「ツリー・オブ・ライフ」は、テレンス・マリック監督の「如何なる人間も宇宙の摂理にある災いから等しく逃れられa0212807_2021268.jpgない」という哲学的啓示(メッセージ)と審美的な映像を堪能する映画です。
ショーン・ペンとジェシカ・チャステインの好演は、言うまでもなく、三男を演じたタイ・シェリダン(1999~ 「マッド」でデビュー)も印象に残りました。
ブラッド・ピットは、1992年公開のアメリカ映画「リバー・ランズ・スルー・イット」のフライフィッシッングの天才にして自由奔放かつ破滅的な次男ポールa0212807_20331744.jpg役で演じたクールな演技が、あまりにすばらしく、これを超えるブラッド・ピットに私は、まだ出会えません。
2013年映画「ゼロ・グラビティ」でアカデミー賞撮影賞を受賞したメキシコの撮影監督エマニュエル・ルベツキ(1964~)が、撮った「ツリー・オブ・ライフ」の斬新な映像も‘スバラシイ’の一言です。
by blues_rock | 2014-10-08 00:08 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)