あの日、欲望の大地で シネマの世界<第398話>
脚本家としてのギジェルモ・アリアガは、2000年アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督(1963~)の長編デビュー作「アモーレス・ペロス」の脚本・製作を担い、続く2003年同監督の「21グラム」など名作の脚本を書いています。
「あの日、欲望の大地で」の撮影は、名撮影監督のロバート・エルスウィット(1950~ 2005年「シリアナ」、2007年「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」、2010年「ソルト」、2010年「ザ・タウン」、2012年「ボーン・レガシー」など話題作の撮影監督)が、音楽を売れっ子映画音楽作曲家ハンス・ジマー(1957~)が、友人ギジェルモ・アリアガの長編映画監督デビューをしっかりサポートしています。
主人公のシルヴィアをシャーリーズ・セロン(1975~ こちら 私のお気に入り女優 製作総指揮に参加)、その母
何が起きているのか見る者に一切説明しないまま、このあと、いきなり全裸の女が薄暗い部屋のベッドから起きあがり窓を開け、どんよりした海を眺めているシーンに移りこの全裸の女が、シャーリーズ・セロン演じるシルヴィアです。
海の見えるこの港街は、ニューメキシコ州から遠く離れたアメリカ北東部のポートランドで、シルヴィアは、この街の海辺にある高級レストランのマネージャーをしていました。
シルヴィアには、心に絶望的な苦悩を抱え、それから逃れるための自殺願望と自虐的な刹那のセックスに依存し生きていました。
ある日、シルヴィアの前にカルロス(ホセ・マリア・ヤスピク)と名のるメキシコ人男性が、突然現われ、彼が連れていた12才の少女マリア(テッサ・イア)を見たシルヴィアは、激しく動揺します。
カルロスは、シルヴィアをマリアーナと呼び、シルヴィアもマリアーナの名とともに心の奥底に封印していた自分の過去と向き合うことになりました。
シルヴィアは、母ジーナの過ちとそれ以上に重い秘密にしている自分自身の罪‥美人女優3人の共演によるミステリーと切ないヒューマン・ストーリーが、織りなす見応えある映画です。