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心の時空

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Mud マッド  シネマの世界<第381話>

アメリカ映画の俊英監督ジェフ・ニコルズ(1978~)が、脚本・監督した2014年の日本公開映画「マッド(Mud)」は、2012年カンヌ国際映画祭グランプリ(パルムドール)受賞作品の「愛、アムール」(こちら)とパルムドールをa0212807_1348675.jpg競った作品です。
この映画でニコルズ監督の演出にすばらしい演技で応えた主人公マッド役のマシュー・マコノヒー(1969~)は、この「マッド」の後に公開された作品「ダラス・バイヤーズクラブ」(こちら)で「アカデミー賞主演男優賞」を受賞、この「マッド」でも、それに匹敵する秀逸な演技を見せています。
映画の舞台と物語は、アーカンソー州のミシシッピ川流域にある森の中で暮らす怪しげな男マッドとそこで偶然知り合った二人の少年エリス(タイ・シェリダン 1996~)とネックボーン(ジェイコブ・ロフランド1996~)を中心に展開します。
エリスとネックボーンが、好奇心に駆られて得体の知れないマッドに接していく過程は、1986年映画「スタンド・バイ・ミー」の少年た
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ち4人の冒険を彷彿とさせますが、ニコルズ監督自身は、マーク・トゥーエンの小説「ハックルベリ・フィンの冒険」をイメージして撮影したそうです。
a0212807_13574727.jpg思春期の多感な少年エリスを好演したタイ・シェリダン(2011年「ツリー・オブ・ライフ」に三男役で出演)の存在感が光りました。
マッドの旧友トム役をサム・シェパード(1943~ 劇作家・脚本家・俳優)、ミシシッピ川岸に浮くボートハウス生活が嫌で夫ゲイレン(エリスの父 マイケル・シャノン 1974~)とケンカの絶えないエリスの母役をリース・ウィザースプーン(1976~ 2005年「ウォーク・ザ・ライン/君につづく道」でアカデミー賞主演女優賞受賞)が、しっかり脇を固め好演しています。
映画「マッド」(ちなみに原題のMudは「泥」でMad「狂人」ではない)のプロットは、冒険心の強い少年エリスとネックボーンを正体不明の男マッドにからませサスペンスタッチでミステリアスに描いていa0212807_13583181.jpgますが、あくまで「愛について」の寓話です。
次第にマッドは、警察に追われている犯罪者(殺人犯)と分かってきます。
彼には、幼なじみで一途に愛する女性がいました。
彼女は、街外れのうらぶれたモーテルでマッドを待っていますが、じっと待っているわけではなく男にダラシナイ女でした。
思春期の少年エリスは、初めて恋した少女が心変わりした「なぜ」、愛し合っていた両親がいつも諍(いさか)い離婚しようとする「なぜ」、マッドの一途な愛が成就しない「なぜ」、その「なぜ」をニコルズ監督は、ゆっくり解き明かしながらエリスが少しずつ「愛のなぜ」を学んでいく寓話にしました。
a0212807_1359164.jpg「愛のなぜ」にぶつかりエリス少年は、大人になる準備を始めました。
大人たちは、子供と思っていたエリスから人を純粋に愛することの大切さを学びました。
「マッド」の登場人物は、少ないものの、ミシシッピ川流域の美しい自然を背景に展開するヒューマンドラマの秀作です。
映画好きでない方にもお薦めしたい映画です。(公式サイトはこちらです。)
by blues_rock | 2014-08-17 00:17 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)