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心の時空

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ロバート・デ・ニーロ/エクザイル(放浪者)  シネマの世界<第375話>

a0212807_12373327.jpg映画ファンなら知らない人はいない名優ロバート・デ・ニーロの名前をタイトルクレジットにした2012年映画「ロバート・デ・ニーロ/エクザイル(放浪者)」が、なぜ日本で劇場未公開なのか、さっぱり分かりません。(映画配給会社のレベルとセンスの問題かな?)
ともあれDVDスルーされていますのでお薦めしたい秀作映画です。
映画は、アメリカの作家ニック・フリンのノンフィクション自伝小説「路上の文豪、酔いどれジョナサンの幻の傑作」をもとにポール・ワイツ監督(1965~)が、脚本(映画の原題は「Being Flynn」 フリンその人)を書き自ら監督しています。
a0212807_12395296.jpg映画の主人公は、原作者ニック・フリンの父親ジョナサン・フリン(ロバート・デ・ニーロ 1943~)と息子であるニック・フリン本人(ポール・ダノ 1984~)の親子ですがストーリーは、息子ニックの視点で、父親のジョナサンが語られていきます。
名優ロバート・デ・ニーロと新進気鋭のポール・ダノ、二人の演技は、見応えあります。
a0212807_12405829.jpg映画は、18年前と現在のニューヨークを舞台に難儀な親子の間にあるシリアスなエピソードを積み重ねながら展開していきます。
18年前に父親のジョナサンが、作家になると言い残し妻ジュディ(ジュリアン・ムーア 1960~)と幼いニックを置いて突然家出、ジョナサンは、行く先々から「オレはアメリカの偉大な三人の作家のうちの一人で大作家だ。お前にも才能がある。」とa0212807_12413867.jpg息子のニック宛てに大言壮語を書き連ねた手紙を送っていました。
ニックが成長したころには、ジョナサンからの音信も途絶え、それまで妻ジュディは、昼間銀行の窓口、夜レストランのウェイトレスと働き続けニックを女手一つで育てました。
美しく魅力的なジュディに言い寄る男たちも多く、彼女も寂しさを紛らわすため男たちと付き合いますが、どれも長続きせず心を病a0212807_12441562.jpgみ自殺しました。
作家を志すようになったニックは、友人の紹介でホームレス・シェルター(浮浪者救援施設)で働くようになり、女性スタッフのデニス(オリヴィア・サールビー 1986~)と親しくなりました。
そんなある日、音信不通であった父ジョナサンから突然ニックに電話が入り、引越するので手伝って欲しいと一方的に依頼してきました。
a0212807_12445069.jpgニックが、車で駆けつけるとガラクタに囲まれ偏屈でどこか壊れている父ジョナサンの老いた姿がありました。
荷物をニックに預けると「今書いている小説のネタ探しに行く」と言い残して立ち去りました。
真冬のニューヨークで宿なしとなったジョナサンは、ホームレスになり路上生活者になりますが、小雪の舞う寒さの厳しい夜、ホームレス・シェルターのスタッタの手で施設に収容され息子のニックと再会しました。
a0212807_12452679.jpgシェルターのスタッタとして働くニックは、父ジョナサンを見て驚き当惑しますが、仕方なく受入れました。
しかし、ここでもジョナサンは、生来の偏屈な性格と変人ぶりを発揮、シェルター・スタッフやほかのホームレスたちとひと悶着を起こし、シェルター受入れ拒否対象者になりますが、街のチンピラ相手に騒ぎを起こし、傷だらけで運び込まれました。
a0212807_12455568.jpgワイツ監督は、息子ニックの立場で映画の原題となっている「Being Flynn」 (父ジョナサン・フリン)について語らせ、過去と現在のエピソードをカットバックさせながらストーリー構成しています。
映画のプロットは、厳しくシリアスな親子(家族を捨てた父親と父親を知らない息子)関係を描きながら、大袈裟な演出もなく、二人の姿を静かに映すだけですが、最後まで退屈する事はありa0212807_12531454.jpgません。
1976年ロバート・デ・ニーロ主演の傑作映画「タクシードライバー」(右写真マーティン・スコセッシ監督)に対するワイツ監督のオマージュを感じるシーンもありますので併せてお楽しみください。
 
by blues_rock | 2014-07-28 00:28 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)