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心の時空

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恋する惑星  シネマの世界<第370話>

香港映画「恋する惑星」(1994)は、ウォン・カーウァイ監督(脚本~ 1958)の名を世界に広めました。
撮影監督は二人、失恋し落ち込んでいる警官223号(金城武1973~)と麻薬密売人で金髪の美女(ブリジット・リン1954~)の出遭いと別れ(前半部分)をアンドリュー・ラウ(1960~ 「インファナル・アフェア」の監督)が撮り、
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スチュワーデスの恋人に逃げられた警官663号(トニー・レオン1962~)が、深夜営業のカフェ・パーラーで働く新入り店員(フェイ・ウォン1969~)に片想いされ翻弄されていく恋模様(後半部分)をクリストファー・ドイル(1952~)が撮っています。                   (左:ブリジット・リンと右:金城武)
a0212807_23463620.jpg映画の舞台は、香港の九龍半島にある「重慶大厦(チョンキンマンション)」で映画「恋する惑星」の原題(オリジナル・タイトル)でもあります。
カーウァイ監督の演出に応える主役4人が初々しく、それを撮る撮影監督2人のスタイリッシュな感性は、ときにスローモーションをとり入れながら手持ちカメラによる躍動感あふれる映像と色彩で構成しています。                 (左:トニー・レオンと右:フェイ・ウォン)
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映画の中で何度も流れるパパス&ママスの「夢のカリフォルニア」(こちら)も「恋する惑星」のすれ違うばかりの恋愛模様を表わす効果的な音楽でした。
カーウァイ監督は、前半をほとんど夜のシーンにし、昼間の場面があっても暗い曇り空か雨の降るシーンにし、a0212807_23485016.jpg雑踏の中を走り抜けるスピード感と重くムーディな音楽でバランスをとりながら構成しました。
後半は、昼のシーンだけでガラリと雰囲気を変え、躍動感あふれるカラフルな色彩と軽快な音楽で構成し、同じ「重慶大厦(チョンキンマンション)」の恋愛模様ながら変奏曲のような二部構成の映画でした。
奇才クエンティン・タランティーノは、この映画を絶賛し当時設立したばかりの自分の映画配給会社による配給a0212807_23493218.jpg権を獲得しました。
俳優陣も今や世界的な名優となったトニー・レオンは言うに及ばず、長編映画にデビューしたばかりで当時無名の金城武(カーウァイ監督が香港のホテルで偶然見かけスカウト)と同じく映画デビューしたばかりの歌手フェイ・ウォンが、実に魅力的に好演しています。
とくにカフェ・パーラーの新入り店員を演じたフェイ・ウォンの立ち振る舞いが、たいへんキュートで、警官663号役のトニー・レオンに一途に恋する乙女心を上手く演じています。
a0212807_2355193.jpgウォン・カーウァイ監督は、脚本と演出の才能は言うまでもなく、映像と音楽のセンスもすばらしく、フィンランドのアキ・カウリスマキ監督(1957~)、カナダのハル・ハートリー監督(1959~)と同じ‘ONE&ONLY’の才能を感じます。
by blues_rock | 2014-07-08 00:08 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)