ブログトップ | ログイン

心の時空

yansue.exblog.jp

a day in my life

見知らぬ乗客  シネマの世界<第367話>

a0212807_209857.jpgイギリス出身の名映画監督で1940年、アメリカ(ハリウッド)に移住し活躍したサスペンス(スリラー)映画の巨匠アルフレッド・ヒッチコック監督(1899~1980)が、1951年に撮った作品「見知らぬ乗客」(Strangers on a Train)は、1950年代に映画監督として円熟期を迎えたヒッチコック監督の黄金時代の幕開けとなる作品で、同時にストーカー(サイコキラー)映画の原点でもあります。
ヒッチコック監督の演出は、1950年代のフランス映画ヌーヴェルヴァーグの監督たちに多大な影響を与えました。
ヒッチコック監督は、当時として非常に高度な映像技術(撮影技法)を駆使しつつも映画を面白くする演出に凝り、常に観客の意表を衝く演出を心がけました。
このころから自分の作品に‘ほんの一瞬だけ姿を現わすカメオ出演’が、ヒッチコック監督のトレードマークとなりa0212807_20202273.jpgました。
ヒッチコック監督の凝った演出手法は、スピルバーグ監督にも大きな影響を与えています。
「見知らぬ乗客(Strangers on a Train)」のプロットは、交換殺人による完全犯罪のサスペンスです。
テニス選手ガイ・ヘインズ(ファーリー・グレンジャー 1925~2011 写真左)は、気が強く尻軽で浮気性の妻ミリアム(ローラ・エリオット後にケイシー・ロジャースと改名1926~2006 下から2枚目の写真)との離婚を協議していました。
a0212807_2023730.pngガイには、上院議員の娘アン(ルース・ローマン)という気立ての良い女性の恋人がいました。
アンもアンの家族もガイの離婚が成立したら彼との再婚を望んでいました。
そんな最中(さなか)、ガイは、列車の中でブルーノ(ロバート・ウォーカー 1918~1951 写真右)という男に出遭いました。
彼は、ガイと初対面ながら旧知のようになれなれしく話しかけて来ました。
a0212807_20311057.jpgブルーノは、ガイが妻ミリアムと離婚しようとしていること知っており、アンと恋仲であることも知っていました。
ブルーノは、ガイに自分の父親を殺してくれるなら、自分がミリアムを殺してやると交換殺人を提案しました。
彼は、お互い相手に殺人の動機がなく、アリバイさえあれば捕まる心配もないと完全犯罪を臭わせました。
ガイは、ブルーノが、悪い冗談を言っていると思いと一笑にふし、取り合いませんでした。
a0212807_20343255.jpgだが、ブルーノは、勝手にガイの妻ミリアムを殺してしまいました。
ブルーノを演じるロバート・ウォーカーのヒンヤリしたサイコパス(精神病)な表情が、なかなかリアルで頭脳明晰かつ社交性のある精神病質の人というのは、こんな風だろうなと思わせる演技は、秀逸でした。
ヒッチコック監督の娘パトリシア・ヒッチコック(1928~ 左写真)が、アンの妹バーバラ役で、好奇心の強い利発な女性を好演しています。
陰険で嫌味なガイの妻ミリアムを演じたローラ・エリオットの悪妻ぶりも堂に入り、サイコキラーブルーノを演じたロバート・ウォーカーの不気味さといい、一級のサスペンス(スリラー)映画には、リアリティのあるしっかりした悪役が、どうしても必要です。
「見知らぬ乗客」での小道具は、ライターとメガネで、ヒッチコック監督のカメオ出演は、列車に乗る楽器(コントラバス)を抱えた乗客でした。
by blues_rock | 2014-07-01 00:01 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)