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心の時空

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ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮  シネマの世界<第355話>

デンマーク国民に広く知られている歴史実話、18世紀後半に絶対王政下のデンマーク王国で起きた国を揺るがす大事件(スキャンダル=ラブ・アフェア)を史実に基づきデンマークの俊英ニコライ・アーセル監督(1972~)が、自ら脚本を書き監督、壮大かつリアルな歴史ロマン映画にしました。
製作総指揮にラース・フォン・トリアー監督(1956~)が参加、ニコライ・アーセル監督は、ベルリン国際映画祭a0212807_20483856.jpgで‘脚本賞’を受賞しました。
(2013年日本公開
公式サイトは こちら
映画の主人公は、ドイツ人医師で国王の侍医ながら無神論者にして自由主義を信奉する啓蒙思想家ヨハン・フリードリヒ・ストルーエンセ(デンマークの名優マッツ・ミケルセン 1965~)と精神を病んだ(統合失調症の)デンマーク国王クリスチャン7世(デンマークの若手俳優ミケル・ボー・フォルスゴー 1984~ オーディションを経て映画初出演ながら精神病の国王を好演、ベルリン国際映画祭で男優賞受賞)、そうとは知らずイギリス王室(ウェールズ家)から15才の時クリスチャン7世の王妃として嫁いできたキャロライン・マチルダ(カロリーネ・マティルデ、スウェーデンの若手女優アリシア・ヴィキャンデル 1988~が熱演)の三人です。
若き王妃カロリーネは、奇行の多いクリスチャン7世と新婚のときから上手くいかず、王子(後のフレデリク6世、a0212807_20555459.jpgデンマークを絶対王政から自由主義王国に改革した名君の誉れ高い国王)を産んだものの、夫であるクリスチャン国王から相手にされず家族や友人のいないデンマークで一人部屋にこもり深い絶望と孤独の中で暮らしていました。
ドイツ人医師ストルーエンセは、友人から王宮がクリスチャン国王の侍医を捜しているから国王の面接を受けるよう薦められ、演劇好きの国王が、少し口にしたシェイクスピア戯曲のセリフを続け、国王から気に入られ侍医になりました。
折しもデンマークで天然痘が蔓延、いち早く幼い王子に予防接種を行ない天然痘から救ったことでクリスチャンa0212807_20575120.jpg国王のストルーエンセへの信任厚くなり、陰鬱に引きこもる王妃カロリーネの病気も治すよう命じられました。
読書家であったカロリーネは、侍医ストルーエンセの部屋(診察室)で当時、ヨーロッパの絶対王政を改革しようとする啓蒙思想を主導していた政治哲学者ジャン=ジャック・ルソー(1712~1778)の著書を見つけました。
この時から二人は、お互いを意識し魅かれ合うようになり舞踏会の夜、決定的になりました。
王妃カロリーネから密かに寝室の鍵を渡されたストルーエンセは、夜毎密かにカロリーネの寝室を訪ねる王妃a0212807_20512956.jpgの愛人となり、クリスチャン国王もまた侍医のストルーエンセに精神的に強く依存するようになりストルーエンセは、次第に‘摂政’として国政に関与、三つ巴の三角関係を続けていました。
ある日、カロリーネが、ストルーエンセに妊娠したことを知らせるとデンマーク王室のスキャンダルを恐れたストルーエンセは、王妃であるカロリーネを説得、クリスチャン国王をけしかけて王妃カロリーネと強引にベッドを共にさせました。
クリスチャン国王とカロリーネ王妃の第二子として産まれた子供は、王女でルイーゼ・アウグスタ(現スウェーデa0212807_20523978.jpgン国王グスタフ16世は直系の子孫)と名付けられました。
やがて侍医と王妃の愛人関係は、国王の耳に入り激怒しますが国王は、侍医としても摂政としても有能なストルーエンセを手離したくありませんでした。
国王側近の侍医ストルーエンセに、絶対王政下の特権を奪われた貴族階級と教会勢力は、カロリーネを嫌う皇太后(クリスチャン7世の継母)を担いでクーデターを起こしクリスチャン国王を傀儡(かいらい)にしてストルーエンセを逮捕、国王不敬罪ならびに王権強奪罪で斬首刑にしました。
a0212807_20531861.pngカロリーネ王妃は、離婚され幽閉されますがイギリス王室は、彼女の帰国を認めずドイツへ追放され23才の若さで病死しました。
日本公開時の愚劣なサブタイトル「愛と欲望の王宮」に惑わされずフランス革命とほぼ同じ時期のシリアスなデンマーク王国の歴史を知る良い映画でした。
by blues_rock | 2014-06-09 00:37 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)