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心の時空

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a day in my life

漆(ウルシ)の話(後編)

薬効としては、大腸菌(O157など)・MRSA黄色ブドウ球菌、サルモネラ菌などへの滅菌作用が強力で、漆塗膜に覆われた容器に菌を24時間に入れておくといずれも‘生菌ゼロ’になります。
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さらに漆には、電気の絶縁効果がありますので、静電気の絶縁塗料として使用されています。
漆の欠点をあげるなら漆の特性として特殊な乾燥メカニズムを持っていますので乾燥し難(にく)く、完全乾燥すa0212807_23433148.jpgるまでは、1年(12か月)くらい見ておかなければなりません。
その代り一旦乾燥すると年を追うごとに強度を増し紫外線に長時間さらさなければ、三内丸山遺跡から出土された「縄文ポシェット」のとおり5,500年経った今でも漆で被膜された製品に劣化はありません。
漆乾燥の最適条件は、24℃から28℃の気温と70%から85%の湿度が必要、私たちの一般常識では、水分のあるものを乾燥させるために温度を上げ湿度を減らしますが漆はまったく乾きません。 (左下:縄文漆器 3,000年前)
a0212807_23483067.jpg漆の主成分ウルシオールは、ラッカーゼ(酵素)と酸素の結合(発酵)により硬い皮膜を作り、さらに時間の経過とともに強度を増していきます。
太古の昔、石器時代後期から縄文初期の1万年前に‘蜂の巣’から漆の特性を発見し使用方法を学習して現在の漆芸に進化させた縄文の人々の智恵は、実にすばらしいと思います。
漆の美しさの要素は、「ふっくら、深み、しっとり」の三つです。
漆の表面張力は、他の塗料より大きく、そのため‘ふっくら’とした感じがあり、光の屈折率も高いので、それがa0212807_23485517.jpg漆に‘深み’を与え、同時に漆成分にあるゴム質は、保湿効果があり、漆に‘しっとり’ 感をもたせています。
骨董店(古道具店)では、「漆器(塗り物)」類は、いま案外安い値段が付いていますので、胸にぐっとくるお気に入りの漆器を見つけられたら手で持たれてみると良いでしょう。
ニセモノも多いのでご注意を‥軽かったら木地で○、重かったらプラスチックで×、水に浮いたら木地で○、沈んだらプラスチック×、これだけ知っておれば、あとは‘自分の好み’です。
by blues_rock | 2014-05-24 00:24 | 金継ぎ/古美術/漆芸 | Comments(0)