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心の時空

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a day in my life

8月の家族たち  シネマの世界<第337話>

a0212807_20364876.jpg名優ジョージ・クルーニー(1961~)率いる製作チーム(「アルゴ」の製作チーム)が、戯曲家トレイシー・レッツ(1965~)の舞台劇「August: Osage County 八月、オセージ郡」(ピュリッツァー賞、トニー賞をダブル受賞)を映画化、原作者トレイシー・レッツ自ら脚本を書き、「ER緊急救命室」のジョン・ウェルズ監督(1956~ )が、当時の主演俳優で旧友でもあるジョージ・クルーニー率いる製作チームとタッグを組んで傑作映画「8月の家族たち」を撮りました。
舞台は、その昔アメリカの先住民シャイアン族が、暮らしたオクラホマ州オセージ郡の片田舎です。
真夏の八月、この地で暮らす老いた父親が、突然失踪するという事件が起き、緊急連絡を受け離ればなれになっていた家族と三人の娘たちは、故郷(実家)で久しぶりに顔を合わせました。
この時から ‘家族のわだかまり’、母親と三姉妹か抱える‘家族の確執’、叔父夫婦と従弟を巻き込んで家族のa0212807_2040341.jpg知らない‘家族の隠し事’が、次第に明らかになり壮烈な家族間のバトルに発展していきます。
シリアス(深刻で真面目)な人間ドラマは、第三者(見る者)には、痛快なブラック・コメディで大いに楽しめますが、この名舞台劇を映画製作するには、当然リスクもあり「脚本・監督・俳優」のどれひとつ欠けてもツマラナイ映画になるので映画の質は、当然‘プロデューサーの腕’に懸かります。
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「8月の家族たち」は、ジョージ・クルーニー率いる製作チーム、トレイシー・レッツの原作と脚本、ジョン・ウェルズ監督の演出、そうそうたる名優たちの演技バトル、と盤石の構えで見応えのある名作でした。
a0212807_20432272.jpg私見ながら今年のアカデミー賞主要部門の賞候補に登場すると思います。
家族に容赦なく毒舌を吐く老母にメリル・ストリープ、真面目すぎて頑なな長女にジュリア・ロバーツ、若い愛人と同棲別居中の夫をユアン・マクレガー、生意気盛り反抗期の娘をアビゲイル・ブレスリン、両親と同居するも誰も知らない秘密の恋人がいる次女にジュリアン・ニコルソン、空気の読めない自a0212807_20441249.jpg由奔放な三女をジュリエット・ルイス、女に手が早い三女の婚約者をダーモット・マローニー、実直でやさしい叔父をクリス・クーパー、おしゃべりで恐妻家一人息子に厳しい叔父の妻をマーゴ・マーティンデイル、その息子で心のやさしいマイペースの従弟にベネディクト・カンバーバッチ、失踪した父親をサム・シェパード、家政婦で老いた母親の介護をするシャイアン族の娘をa0212807_20463023.jpgミスティ・アッパム、それぞれ役柄に成り切り見事な演技を披露しています。
いつの間にかバラバラになった‘家族’は、積年の思いを吐くようにお互い激しく言い争うい、売り言葉に買い言葉で‘そこまで言うか’と思うくらい本音をぶつけあいます。
とくに複数の病気による多種多量なクスリ漬けもあり感情の抑制が効かず罵詈雑言、辺り相手かまわず毒舌をa0212807_20573191.jpg吐き続ける老母メリル・ストリープとそんな老いた母親に反発する長女ジュリア・ロバーツの言い争いと取っ組み合いのケンカは、ド迫力でリアリティがあり実にすばらしい演技で呆気にとられながら見応えあるシークエンスで、これも私見ながらアカデミー賞主演女優賞と助演女優賞は、たぶんこの二人で決まりと思います。
激しく家族の間でバトルをしているうち「ウソォー!?」と叫びたくなる家族それぞれショッキングな隠し事が、明らかになっていきます。
映画を見ているほうは、次第に家族の口から明かされて行く家族の真実に驚きつつ、どの家族も多かれ少なかれ抱えるシリアスな家族問題の普遍性を胸に思い描きながら最高の舞台劇(人間ドラマ)を映画の最後まで見ることができます。
「8月の家族たち」の公式サイトはこちらです。
(家族関係はストーリーの相関図でご覧ください。)
by blues_rock | 2014-05-11 01:34 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)