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心の時空

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a day in my life

旅人は夢を奏でる  シネマの世界<第319話>

フィンランドを代表する映画監督カウリスマキ兄弟の兄ミカ・カウリスマキ(1955~)の最新作「旅人は夢を奏でる」(原題「Tie pohjoiseen」北へ続く道)を見ました。
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弟もまた名監督のアキ・カウリスマキ(1957~ 2011年「ル・アーヴルの靴みがき」こちら)です。
映画は、シリアスな人間ドラマながらユーモアとペーソスにあふれ、親と子(息子)のワケありの人生が、フィンランドの美しい自然をバックに親子の人生を探すロードムービーとしてスクリーンでゆっくり語られていきます。
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父親レオの役で主演するヴェサ=マッティ・ロイリ(1945~)が秀悦で何も飾らない素のままの存在感が抜群で、ミカ・カウリスマキ監督の演出(タクト)は、父レオと生真面目で神経質なピアニストの息子ティモ(サムリ・エデルマン)とのアンバランス(不協和音)を哀しくも美しい変奏曲に変えていきます。
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映画は、フィンランドの首都ヘルシンキから始まります。
人気ピアニストのティモ(サムリ・エデルマン)は、プライベートも音楽優先で神経質なあまり妻子に去られ失意のどん底にいました。
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そこに突然、初老の怪しげな男が現れました。
初老の男は、35年前3才のティモを残し失踪した父のレオ(ヴェサ・マッティ・ロイリ)でした。
胡散(うさん)臭そうに訝(いぶ)る息子ティモにレオは「北(故郷)に向かう。一緒に来てくれ。来れば分かる。」と
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だけ伝え、盗んできたクルマで北へ向かいました。
兎に角、真逆な性格の親子ながらチグハグな珍道中を続けているうち、二人に共通するただ一つの道具である“音楽”が触媒となりティモの心の蟠(わだかま)りも解け始めました。
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ホテルのラウンジで妖艶な女性二人連れを誘うために生真面目な息子のティモを口説き自称ミュージャンの父レオが、息子のピアノ演奏で「枯葉」を歌うシーンは、なかなか感動的です。
ティモは、レオと北への旅を続けるうちに次第に、父の過去の真実と自分の家族への愛を取り戻す旅に変わり
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ました。
「旅人は夢を奏でる」は、‘セ・ラ・ヴィ’(それが人生)を謳う哀歓あるシャンソンの名曲のような秀作映画です。(映画の公式サイトはこちら
by blues_rock | 2014-04-07 01:41 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)