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心の時空

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「手紙」と「ゆれる」  シネマの世界<第306話>

今年になって初めて見た日本映画が「手紙」でした。
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「手紙」を見て、以前見た日本映画「ゆれる」を憶い出しました。
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この二本の映画は、図らずも同じ2006年の劇場公開で、ともに‘兄弟’をテーマにした好い映画です、
双方ともに主人公は、二人の兄弟で、‘兄が殺人犯’、弟が、服役中の兄を時々刑務所に訪ね‥と筋立ては、
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似ているものの‘似て非なる’映画でした。
「手紙」は、生野慈朗監督(1950~ TBS演出家、映画監督)のヒューマン感動ドラマで映画に悪い人間は、登場a0212807_043259.jpgしません。
弟を山田孝之(1983~「凶悪」でのジャーナリスト役の印象が強い)、弟を思う兄に玉山鉄二(1980~)この兄弟に絡む登場人物として風間杜夫(1949~)、吹越満(1965~)、杉浦直樹(1931~2011)、田中要次(1963~)と芸達者な俳優たちが出演、脇をしっかり固めています。
私は、殺人犯の兄を演じた玉山鉄二という俳優を知りませんでしたが、良い素質をもった俳優と私の目には映り
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ました。
「ゆれる」は、西川美和監督(1974~ 原案・脚本共)の女性らしからぬクールな演出が、魅力の映画です。
a0212807_052588.jpg田舎で家業を継いだ兄(香川照之1965~ こちら参照)と東京でカメラマンとして暮らす弟(オダギリ ジョー 1976~)を上辺は一見仲の良い兄弟ながらお互い情に薄く心の中で‘陰湿なエゴ’を剥き出しにし、兄が密かに好意をもつ幼馴染みの女性(真木よう子1982~)を弟は、遊び心で誘惑、東京に一緒に連れて行ってもらえると信じた彼女は、弟と一夜を共にしました。
そんな弟と彼女の関係を兄は、知らないふりして見ていました。
弟は、東京に帰る前、渓谷を撮りたいと二人を誘いました。
その渓谷に架かる旧い吊り橋から女性が、転落し死亡しました。
渓流の岩で写真を撮っていた弟は、二人が、旧い吊り橋を渡るのを見ていました。
彼女の転落は、旧い吊り橋が原因の不慮の事故だったのか、自分の慕いを知りながら弟と性的関係をもった彼女と自由奔放な弟への兄の復讐だったのか、兄は、殺人罪で逮捕され裁判になりますが、事実を語ろうとしませんでした。
a0212807_1153796.jpg証人として弟が、兄の裁判に出廷することになりました。
警察官のピエール瀧(1967~)、裁判長の田口トモロヲ(1957~)、兄弟の伯父で弁護士の蟹江敬三(1944)などこちらも芸達者な俳優が、脇をしっかり固めていました。
この「ゆれる」で屈折した兄の心理表現を目で演じる香川照之の演技が、実にすばらしく、歌舞伎役者「澤瀉屋(おもだかや)市川中車(ちゅうしゃ)」との二足の草鞋(わらじ)が、さらに名優‘香川照之’を稀代の名優に仕立てるのではないか、と私は、大いに期待しています。
by blues_rock | 2014-03-05 00:35 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)