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心の時空

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狼の死刑宣告  シネマの世界<第295話>

a0212807_2147506.jpgナイーブな人間(1995年「告発」)からサイコな犯罪者(1994年「激流」)まで主人公の性格や表情を演じ分ける俳優ケヴィン・ベーコン(1958~)2007年主演の映画「狼の死刑宣告」(原題 Death Sentence 死の宣告)では、その双方を見ることができます。
監督は、本来ホラーを得意とするオーストラリアの映画監督ジェームズ・ワン(1977~)ですが、このリベンジ・バイオレンス(復讐劇)映画の中でも‘なるほど’という残虐なシーンに出会います。
ジョン・レオネッティ撮影監督(1956~)の映像が、すばらしく家族を惨殺された男の復讐劇という古典的な映画プロットをテクニカルなカメラワーク、中でも主人公ニックが、ギャングたちから命を狙われ立体駐車ビルの中を全力疾走して逃げるシーンを移動カメラが、ワンカットで撮るカメラ映像と集音マイクの拾うニックの息づかいは、なかなかどうしてインパクトのあるシーンでした。
映画の後半からのニックとギャングたちとの激しい銃撃シーンも、移動カメラの長回しと手ぶれした映像が多用され、復讐の鬼と化した主人公の情念を表現するためにワン監督とレオネッティ撮影監督の計算した演出が見事でした。
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大手会社の副社長ニックは、美しい妻と大学生の長男、高校生の二男と幸せに暮らしていました。
長男のアイスホッケー試合の帰り、立ち寄ったガソリンスタンドが、目だし帽を被ったギャングら数人に襲われ、a0212807_21513814.jpg店主と店内にいたニックの長男が、殺されました。
ニックは、犯人の一人と格闘になり目だし帽を剥がした時、犯人の顔を目撃しましたが逃がしてしまいました。
ギャングたちは、すぐ逮捕されますが、悲しみに沈むニックは、長男を殺した犯人の動機が「度胸試し」の殺人であったと知り激怒、そのうえ目撃者も被害者の父親ニック一人なので証言しても無罪判決の可能性があり、検察から裁判所と司法取引して有罪判決・懲役5年の刑を提案されました。a0212807_21531598.jpg
目の前で長男を殺され法の無力に絶望したニックは、法廷での目撃証言を拒否、犯人を無罪にし釈放させました。
模範的なサラリーマンで平凡な父親ニックでしたが、納屋からナイフを持ち出し、慣れない手つきで長男を殺したギャングを刺し殺しましたが、その男は、ギャングのボスの弟でした。
怒り狂ったボスと手下たちは、ニックに復讐すべく彼の家族を襲いました。
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拳銃で撃たれた妻は死亡、次男は意識不明の重体、ニックも拳銃で撃たれましたが、奇跡的に助かりました。
ニックは、病院を抜け出し復讐するため殺人鬼になりました。
a0212807_2272618.jpgこの後の殺人鬼と化したケヴィン・ベーコンの悲痛な凄味のある表情は、見もので秀逸です。
ラストの激しい銃撃戦のすえギャングをすべて殺し深手を負ったニックが、血を流しながらソファに座っているシーンは、ワン監督とレオネッティ撮影監督の「タクシードライバー」(1976年マーティン・スコセッシ監督、ロバート・デ・ニーロ主演)へのオマージュだろうと思います。
a0212807_228131.jpg映画に登場するのは数シーンながら、単なる復讐劇(バイオレンス・アクション)映画の質を高めているのが、麻薬密売人の元締めで拳銃密売人でもあるギャングのボスの父親を演じた怪優ジョン・グッドマン(1952~)の異様な存在感は、必見です。
by blues_rock | 2014-02-14 00:14 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)