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心の時空

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アメリカン・ハッスル  シネマの世界<第290話>

現在公開中の映画「アメリカン・ハッスル」のハッスルとは、‘詐欺’の俗語です。
1979年にあったFBIオトリ捜査事件の実話をもとにデヴィッド・O・ラッセル監督(1958~)が、脚本を書き監督した新作でとにかく面白い映画です。
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映画のプロットは、映画に登場する主人公たち5人、生まれつきの天才詐欺師と自分のことしか考えないFBI捜査官、詐欺師の愛人で詐欺のパートナー、詐欺師の子連れプッツン女房、善良だがワイロを受け取る市長の5人全員‘嘘つき’です。
a0212807_0505328.jpg名監督デヴィッド・O・ラッセルの練り込まれたシナリオにより5人の名優が、ラッセル演出のもと「生きるための嘘つき」を快演(ノビノビと名演)しています。
ラッセル監督の映画は、2010年作品「ザ・ファイター」、2012年作品「世界にひとつのプレイブック」そして2013年新作「アメリカン・ハッスル」(公式サイトこちら)のどれも人間の弱さやズルさ、愛と嫉妬、善良さと欲望など人間模様をコミカルに描きながらも、ストーリーの随所に人と人、親と子、男と女のシリアスな心理模様を織り込んだ人間ドラマが展開していくので、スクリーンを見ながら笑ったりホロリとしたり、しんみりしたり悪人さえも憎めない上手い演出にどこかホッとします。
コミカルでシリアスながらキレのある秀作映画を撮れる監督は、意外に少なく、56才の円熟期を迎えたラッセル
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監督の才能と個性が、全開する得意分野なので、これからも大いに期待したいと思います。
「アメリカン・ハッスル」の面白さは、1979年のFBIによるオトリ捜査‘アブスキャム事件’をネタに、良く練られた脚本、芸達者な役者(キャスティングの妙)、映画の見せ場を心得た演出にあります。
a0212807_0561946.jpgラッセル監督の演出に応えるのは、クリスチャン・ベール(こちら)、今回の役柄は、メタボな中年男でハゲ頭をツケ毛とカツラで隠した天才詐欺師アーヴィン、自分の思う通りにならないとすぐキレるFBI捜査官リッチーにブラッドリー・クーパー(1975~)、アーヴィンとリッチーの仕組んだ‘オトリ捜査’に引っかかる善人ぶる汚職市長カーマインのジェレミー・レナー(1971~)、アーヴィンの愛人で詐欺の相棒シドニーのエイミー・アダムス(1974~)、妖艶なシドニーに嫉妬し夫アーヴィンの詐欺を何かと妨害するイヤミa0212807_0584729.jpgな妻ロザリンをジェニファー・ローレンス(1990~)と皆ノリノリで演じています。
手柄を立て出世したいばかりのFBI捜査官リッチーに脅されて詐欺師アーヴィンと愛人相棒のシドニーは、賭博場建設に絡む汚職(ワイロ収賄罪)を摘発する‘オトリ捜査’を手伝うことになり、大物政治家・市長・ギャングを相手に詐欺(実はオトリ捜査)を仕かけました。
FBIは、架空のアラブマネー投資会社をでっちあげ、FBI捜査官扮するアラブの資産家が、賭博場建設に投資すa0212807_113857.jpgる話を信用させるため最高級ホテルのスイートフロアーを借切り、空港には、偽アラブの資産家が乗った専用ジェット機まで準備し、いよいよFBIを巻き込んだ天才詐欺師アーヴィンたちによるオトリ捜査が始まりました。
出番は1回だけながら、このオトリ捜査で一筋縄ではいかないギャングの大ボスを演じたロバート・デ・ニーロの存在感は、さすがです。
映画は、最後のオチまで目が離せません。
これだけの名優たちの共演を見ているだけでもワクワクする映画です。
a0212807_122990.jpg音楽も1970年代のジャズありロックありで当時を偲ばせる巧みな選曲は、ラッセル監督のセンスでしょう。
ハリウッド映画黄金時代の映画製作パワーを久しぶりに感じました。
by blues_rock | 2014-02-02 23:57 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)