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心の時空

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イヤー・オブ・ザ・スネーク/第4帝国  シネマの世界<第280話>

a0212807_12332957.jpgロシアのプーチン大統領が、1999年首相の時、チェチェン共和国への政治的軍事介入とチェチェン民族への弾圧(第2次チェチェン紛争)を行なった史実を基に、ドイツの映画監督デニス・ガンゼル(1973~)は、自ら脚本を書きレアリティのある政治的なサスペンス&ミステリー映画「イヤー・オブ・ザ・スネーク/第4帝国」(2012)を撮りました。
映画のタイトルは、「イヤー・オブ・ザ・スネーク/第4帝国」の‘イヤー・オブ・ザ・スネーク’を外し、原題のまま「Die vierte Macht(第4帝国)」としたほうが、ヒトラー独裁のナチスドイツを‘第3帝国’と呼んだ歴史から、現プーチン政権のロシアに皮肉を込め「第4帝国」と揶揄(やゆ)したガンゼル監督(脚本)のネライが、明確に伝わります。
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映画が、あまりに実話に近く映像に実写のようなシーンも多いのでガンゼル監督は、映画の冒頭に「これはフィクションです」とクレジットを入れています。
a0212807_12352567.jpg映画は、第2次チェチェン紛争の引き金となった‘アパート爆破テロ’シーンから始まり、当時モスクワなどで発生した連続爆破テロ事件のシーンを映します。
1999年首相に就任したばかりのプーチン首相は、チェチェン独立派によるテロと断定、チェチェン共和国への侵攻を開始しました。
a0212807_123757100.jpg同時に社会不安を抱えたロシア政府は、プーチン政権に反対する勢力の弾圧と治安維持のため「反テロ法」の制定を急いでおり、‘モスクワの連続爆破テロ事件’は、ロシア連邦保安庁(略称FSB、1999年8月までプーチン長官、後任のパトルシェフ長官はKGB時代の後輩でプーチンに絶対忠誠)のデッチ上げ(自作自演)と言われています。
ソ連崩壊から現在までのロシア現代史の暗部を知って、この映画を見るとドギュメンタリーのような迫力を感じます。
日本では、劇場未公開(ビデオスルー)ながら2013年WOWOWオンラインで放映されました。
映画「イヤー・オブ・ザ・スネーク/第4帝国」は、モスクワ地下鉄爆弾テロ共犯の濡れ衣を着せられたドイツ人a0212807_1242841.jpg
ジャーナリスト、ポール(モーリッツ・ブライプトロイ 1971~、2011年「ミケランジェロの暗号」)が、命の危険に曝(さら)されながらロシアの国家的陰謀を雑誌に告発するまでを描いています。
ロシア治安当局からマークされている反政府運動の活動家カティヤ(カシア・スムトゥニアク 1979~ ポーランド)と親しくなったポールが、カティヤと地下鉄入口で別れた直後に地下鉄構内で爆破テロ事件発生、ポールも巻き込まれ意識を失いa0212807_13165066.jpg倒れました。
ポールの意識が戻ると治安警察に拘留されており、カティヤは爆破テロの実行犯で一緒に居たポールも共犯であると証拠の写真を見せられました。
ポールは、治安当局から解放する代わり‘見たこと・聞いたこと・知ったことの一切を公表しない’交換条件の契約書にサインさせられドイツへ強制送還されることになりました。
a0212807_1318671.jpg映画は、反ロシアチェチェン独立派への過酷な拷問や反政府運動弾圧を映像で見せながらロシア国家権力の腐敗を描いています。
元ジャーナリストのポールの父が亡くなる前ポール宛、密かにメッセージをCDに残していました。
CDには、第2次チェチェン紛争直前の‘モスクワのアパート爆破テロ’が、ロシア連邦保安庁による陰謀(自作自演)であると伝えていました。
a0212807_13203494.jpgガンゼル監督は、映画の舞台がほとんどモスクワながらドイツとウクライナで撮影したそうです。
ロシアに映画の撮影許可を申請しても絶対に下りないプロットで、ソチ冬季オリンピツクの前に見て損はない見応えのある映画です。
(予告編 こちら
by blues_rock | 2014-01-18 23:31 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)